谷川岳・烏帽子岩南稜

2009年9月13日




9月13日 くもり
駐車場5:50〜7:45南稜テラス〜終了点10:40〜南稜テラス12:30〜駐車場13:50

 5:20頃に起床。朝食をとり、だんだん明るくなり出発。 河原を左右し、右岸の樹林帯を進み、斜面を上がるとフィックスが1本垂れた懸垂ポイント。 前には3人パーティー。しばらくして後ろからきた2人は横からクライムダウンしていく。 自分達は慎重に懸垂下降し、テールリッジに取り付く。

 岩は全体的に前日の雨で少し湿っていて、慎重にスラブを上がって行く。 SKさん、UKさんは相変わらず早く、どんどん先に行く。 中央稜取り付きも過ぎてそのままトラバース。雨で濡れていてヒヤヒヤしながら、やっと広い南稜テラス。 前には2パーティー。軽く食事をして準備。 白毛門方面は空も明るいが、谷川上には黒い雲がかかる。 結局この日、ピークはほとんど見えなかった。上を見ると風が強そうなので雨具を着る。

1ピッチ目
リード。岩は思った以上に湿っていて滑るし、冷たい。 前の2パーティーともチムニー手前で切っているので、真っ直ぐ上がって同様に切る。

2ピッチ目
リード。出だしのチムニーは思っていたよりかぶっている。 右上のホールドをとって足を左に上げるとすんなり。 チムニー内は濡れた感じ。

3ピッチ目
前のフェースをリードして行く。乾いていれば快適だろう。 慎重に真っ直ぐ上がって切る。

4ピッチ目
草の斜面をロープを持ちながら歩いて上がる。

5ピッチ目
ここからはUKさんリード。前の湿ったフェースを左上し、岩をまわり込んだところで解除の声。 ここも慎重にセカンドで。

6ピッチ目
UKさんリード。前のパーティーは短く切っていたが、少し待ちならが50mいっぱいに伸ばし最終ピッチ手前まで上がる。 ビレーしていると風が冷たい。SKさんがセカンドで、自分はラストで景色を見ながらゆっくり行く。

最終7ピッチ目
前のパーティーを待っているが風が強く、岩を流れる水が風で飛んできて大変寒い。 UKさんスタート。見た目はそうでもないが、やはり最後は厳しい感じ。 セカンドで行く。出だしが濡れてちょっと悪いが少し上がって自然と垂壁にとりつく。 壁全体が濡れて水が流れているような状態で手がかじかむ。足を慎重に置きながら上がって行くが最後が厳しい。 後ろのSKさんも手が冷たいと言いながら後続してくる。 左手でアンダーを取り右足を上げ、最後は必死に上のガバをとり、なんとかフリーで抜ける。

 出口を上に少し上がり、左に行くと6ルンゼへの懸垂支点が一段下がったところにある。 ルンゼ内もやはりビショビショで大変怖い。降りて行くが壁に置いた足も滑る。 草の斜面から下は登ってくるパーティーもいなくなり、6ルンゼを3ピッチ下降して南稜に合流し、以後は南稜に沿って下降。 南稜テラスを一段下がったところまで懸垂し、ここでロープをしまう。 トラバース地点からやっと岩が乾いてきて、今日初めてフリクションが効く岩を味わう。 テールリッジも乾いているが慎重に下降。そのまま急な斜面を登り返してやっと休憩。 あとは樹林帯・河原を下っていくと舗装された道が見えてくる。


 今年は谷川のルートに行きたいと思っていた。 予定していた前穂東壁が直前の天候不良で中止となり、それならばと南稜に変更してもらった。 岩のコンディションは悪い方だったと思うが大きな渋滞もなく、同行した経験豊富なメンバーに恵まれ、 乾いた快適な状態で行くよりも得るものが多かった。 登攀はもちろんだが、アプローチ・ロープワークの大切さを痛感した。(MD)



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