瑞牆山大ヤスリ岩

2009年5月9日




5月9日(土) 晴れ

瑞牆山荘(7:35)富士見平小屋(8:10)天鳥川渡渉点(8:30)大ヤスリ岩取付(9:25)
1ピッチ目(10:00)2ピッチ目(10:45)3ピッチ目(11:20)
大ヤスリ岩上(12:35〜13:20)懸垂1回目(13:20)懸垂2回目(13:45)
大ヤスリ岩取付(14:05) 瑞牆山山頂(14:35〜15:20)天鳥川渡渉点(16:00)
富士見平小屋(16:25) 瑞牆山荘(16:55)

 朝4:30に待ち合わせて、中央須玉ICで降りて瑞牆山荘へ。
駐車場は広く、キレイに舗装されており多くの車がある。
 登山道をのんびり行くが途中の少し急な登りでは相変わらず息が上がる。 静かな富士見平小屋を過ぎトラバース気味に進んで行くと左に目指す大ヤスリ岩が見え、気持ちも高ぶる。 少し下って天鳥川となり休憩。ここから少し水が流れている道沿いに山頂を目指して登っていくと大ヤスリ岩のすぐ下に着く。
 左側に通行止めのロープが張ってある箇所があり、ここのすぐ奥が取り付き。
岩も乾いていてだれもおらずゆっくり準備。ザックはデポして行くことに。


1ピッチ目
 お互いにロープ等の結びを確認してYYさんリードでスタート。
 始めは縦に走るクラック。ここは特に問題なくするすると上がっていき、右のチムニーへのトラバース箇所につく。 他の記録等にもあるがやはり厳しいらしくA0で。その後はチムニーを順調に進んでいくのが見える。
 3ピッチで行くため、そのままさらに上のチムニーに入っていき、視界から消えて行く。 ロープはどんどん出ていき、解除の声。
 自分のスタート。 すぐのクラックは難しくないが、あまり調子が良くない感じ。問題のトラバース箇所に着くが下から見ているよりもかなり恐い。
迷わずA0で行くがチムニーの入り口もスタンスは悪い。
 チムニー内も苦しい体勢でズリズリ体を上げながら行くが足が滑りそうだ。
やっとの思いで途中のレッジに着き、一休み。ここからさらに右上のチムニーに移ろうとするが一歩が出ない。 結局、すぐ左上のピトンでA0してはい上がり、右のチムニーに入る。
すぐに緩い登りの狭い通路となり、抜けるとパティオにいるトップに合流。


2ピッチ目
 自分のリード。パティオの少し木が生えたところを歩いて、簡単そうな右から岩に取りつき、ステップを左上していく。
 出口のクラックに練習も兼ねてカムを決め、ジャミングしながら体を少し右側に倒し上がると広い岩の通路。
 岩を越えて上がって行くと大テラス下の左右がのっぺりした広いチムニーに着き、迷わずアブミをテラス側の ピンにかけて上がる。 練習以外で初めてのアブミ動作はとてもぎこちない。やっとテラスにはい上がり解除。 後続のYYさんのロープはどんどん上がって来て、テラス下に来たのが分かる。 しばらくすると笑顔が見え、余裕でフリーで上がって来た。
テラスはとても広く、景色は開けて瑞牆山山頂もよく見える。


3ピッチ目
 大変気持ちのいい広いテラスで準備をして、YYさんトップですぐにあるチョックストーン上から開始。
 始めはヌンチャクをこまめにかけて上がって行く。瑞牆山山頂からはYYさんが登っている姿が良く見えているようで、 感嘆の声が上がる。
 15メートルくらい上のシュリンゲがかかったピンの上で少し止まり、 ビレーを頼むと言われて少し緊張。そこもすぐに過ぎて上がって行く。 傾斜があるためビレーをしていると首が疲れて来るが、姿はだんだん小さくなって見えなくなり、 しばらくすると解除の声。
ロープも上がり、自分の番。

 緊張のスタート。焦らずゆっくり行くことにするが、始めはやはり慣れていないため立ち込む動作もぎこちない。 しかし傾斜も思ったほどなく、最上段に立つほどピンが離れていないので、すぐに慣れてくるが、 腕がパンプしないように気を付けながら行く。
 さっきYYさんが止まったところまで来て上を見ると理由がわかった。 リングボルトのリングがなくなって、その穴に汚れた細いロープシュリンゲが2本通してあるが、1本はほころびて切れそうだ。 セカンドということですぐにゆっくり立ちこんで行くが早く次のピンに移りたい。
 その後は特に問題なく行くが景色を楽しむ余裕はない。 周りは静かでカラビナの擦れる音が良く聞こえ、少し飛び出たピンの根元や錆ついたリング、 岩の表面の粒がものすごくはっきり見える。
 段々終了点に近づいて来たのが分かり、最後にちょっと出た岩の上のピンをとるとYYさんが見えた。 ここからは傾斜もグッと落ちてフリーとなり、セルフをとって解除。


 大ヤスリ岩の上も広いテラスとなっており、のんびりする。
 天気も良く、風もなく、景色もいい。 ゆっくり休憩した後、懸垂準備。支点はしっかりしているようで、カラビナ2つにロープをかけて自分から降りる。
なめらかな壁をゆっくり降りて下の大テラスに着き、YYさんもスムーズに降りて来る。

 次はロープ1本で山頂側に15mくらいの懸垂で登山道の脇に出る。
 取り付きまで10分ほど下り、デポした荷物を回収して瑞牆山山頂へ登り返す。

 登山道はハイカーの人が列になっている。頂上すぐ下には少し雪が残っていて、みんな慎重に登って行く。 頂上に着いてもすごい人の数だが、目の前には大ヤスリ岩が見え、大変気分がいい。
 下りも人が列になっているがどんどん先に行かせてもらう。 富士見平小屋に着くころにはまた誰もいなくなり、最後はのんびり静かな山を味わいながら下山した。


感想

 何回かの日程変更があったが、この日は他に取りついたパーティもおらず、天気にも恵まれのんびりすることが出来た。
 練習していたアブミでの登りが一番の目的だったが傾斜もあまりなく、セカンドでピンも割と近かったため、 初めての割にはスムーズに登ることが出来たと思う。
 しかし1ピッチ目のチムニーが全くダメで、今後の課題が増えた山行となった。
(MD)

 岩登りをやっていて何が楽しいと言って、尖った岩塔の上に立つことほど楽しいことは無いと思ってます。 今回エイドの練習と言うことでこのルートを選んだのですが、すっきりとした花崗岩で、 1ピッチ目はクラック、フェース、チムニーと変化があり、 3ピッチ目も単調なA1ではあるものの40mの垂直なフェースを越えて岩塔の上に立てる楽しいルートでした。 ちなみにMDさんの身長は178cmでアブミの最上段に立たなかったそうですが、私は170cmで何箇所か最上段を使いました。
 なお、遠景の写真は瑞牆山山頂からで「楽天ブログ スローダウン」さんから頂きました。
(YY)



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