9/2 谷川南陵

M本さんから連絡を頂いたのはちょうど膝がほとんど曲がらなくなっていた時だった。
当初は三つ峠で練習しよう!という話だったのだけれどそのメールには
「谷川行きませんか?」だった。
谷川は行きたいと思っていてはや3年が過ぎている。天気予報を見るとまずまずよさそう。
しかし膝が曲がりもしない。翌日医者へ行くと水を抜くという。そうしたら一気に楽になった。

土曜に待ち合わせて谷川のパーキングへ。
クライマーらしき数人の団体がいたがあとはいたって静か。
3:00に起きると天気は星が見えているほど。これなら行ける。
午後は雨らしいから素早い行動をすればいいだろう。
4:30には出合につく。薄闇の中だんだんと姿をあらわしてくる谷川。
圧巻だった。これを登るのか?
実はこの出会いまでも来たことが
無かった。

明るくなるのを待って出発。
M本さんが先導してくれて
道に迷う事は無い。懸垂をこなして登り返しが結構きつい。
だんだんと遅れてしまう。
常時私を気遣って声をかけてくれる

M本さん。申し訳ないと思いつつ膝をかばいながら前進する。
岩壁はどんどん迫ってきて、中央稜の取りつきではこちらに傾いている感じすらする。
そこからのトラバース。慎重に、でも止まらずにと指示を受けて上を気を付けながら
足元も疎かにできずやっとついた先が南陵テラス。なんて広い!そこから南陵が始まる。
トポ図とも、写真とも違う。自分で見た南陵は全く違う迫力で迫ってる。
注意を聞いて1ピッチをリードする。チムニーは難しくないけれど
ランニングをどこにとるか、がわからない。下からM本さんの指示が飛んでくる。
2ピッチ目はM本さんリード。ライン取がきれいだなと思う。ロープの流れに無駄がない。
3ピッチ目は歩きで4ピッチ目が草付きからハングの向こうへ行く。支点が無くてちょっと焦ったが、難しくないので行ききった。
4ピッチはロープ一杯まで伸ばす。

5、6ピッチ最終は右側の凹角へ乗り出してスタート。下がキレ落ちているがホールドを探すとちゃんとある。最後の垂壁が登れなくは
ないけれどフリーで行くには”もしも”を考えるといやなのでA0を使う。上部にがっちりホールドがあってのっこす。

 

M本さんは左アンダーからパン!と上を取ってフリーで抜けてきた。
少し休憩しているとパラパラと雨。懸垂を繰り返して降りるが登りより緊張する。なによりも、落石を起こさないように、そして自分が安全であるように。
スピードと確実性と先読みがひつようだがだんだん集中力が切れて来る。鎌型ハング下はスピードを出しながら慎重に降りる。が自分の体力が無い。
想像以上に体力をつかっていたらしく足にちゃんと力が入らない。
最後にはM本さんに「遅すぎ!」と言われる始末。

なんとか出合まで戻り切って握手。
ピーカンでなかったから暑すぎず、雨もちょっとぱらついたくらい
岩も乾いており、先行、後続0最高のコンディション。いう事は無いくらい。
今年は膝痛から始まっていろいろあったけれどここ数年でベストといえる山行となった。

Y本記