2012 12/1 ~ 2 宝永山 雪トレ

(記:A崎)
入会後、初の雪トレに参加。
メンバーは、Y田・M本・K野・H浦・K井・A崎の6名
前日夜行の天泊での宝永山雪トレ。
初めての雪山トレーニングに心を踊らせ、初日の天泊夕食では皆で鍋をつつきながら少々のお酒も楽む。
翌朝出発時には天気も良く心地良い朝焼けを背中に受け意気揚々と宝永山頂をめざす。
なだらかな須走りを登ること2時間弱、いよいよ雪面が姿を現したところで先日モミソ沢アイゼントレで初デビューした真新しいアイゼンを装着。
新しい道具を使う期待と喜びと共に歩きだすこと僅か30分程、(ん・・足が重い)(歩き辛い・・)他の先輩メンバーの足取りは軽くリズミカルだが自分の足取りはあきらかに重い!
と、すぐにY田リーダーから「A崎くん、もっとしっかり爪を効かせて!」「かかとが近い、ひっかけるぞ!」「歩くリズムは一定にバランスよく!」とご指導をいただく。
遅い歩行スピードながらも、リズムとバランスを整えるため頭の中で「イチ・ニ・サン・シ」と数字を数えるがなかなか上手く行かない。
そこで以前に誰かの山行記録をネットで見たときに、その人がリズムを取るために頭の中で掛け声としていた言葉を思い出して使ってみることにした。
【コウテイ・ペンギン】
この言葉を、頭の中で呪文のように唱えながら歩くと不思議と?重くて辛いアイゼン歩行が少し楽しく感じられてきた。
「コウテイ・ペンギン!コウテイ・ペンギン!」この言葉を宝永山頂まで何千回と唱えながら途中、先輩方より

フラットフィッティング
キックステップ
斜めトラバース
水平トラバース

と、基本的なアイゼン歩行法を学ぶ。
山頂にて、空と雲海の素晴らしいコントラストを楽しみ、少しの休憩と食事をした後は下山しながらの訓練メニューに移った。行った訓練内容は下記の通り。

耐風姿勢
各体勢からの滑落停止(頭が山側の仰向け・うつ伏せ、頭が谷側の仰向け・うつ伏せ)
スタンディングアックスビレイ
コンティニュアンス

事前に会長との机上講座を思い出しながらの雪上講習はとても楽しく、ためになる内容だった。
約1時間程の訓練を終えて下山を再び開始したころ、登り時とは打って変って山頂からの粒雹まじりの吹き下ろし風が吹いてきた。
気付くと足元の雪はツルツルのアイスバーンに変わってしまい背中からは強風に押される状態での下山。
視界もガス交りのせいで悪くなり不安が一気に募る。
このような状況ではさすがの「コウテイ・ペンギン」も全くの効果がない。
自分のすぐ後ろでフォローをして頂いているY田リーダーを不安な気持ちで振り返って見てみると、なんとニコニコと笑顔で
「A崎くん、今日はラッキーだね~♪いい訓練になるよこれは!」
「ちょうど良い強風だ♪さっきやった耐風姿勢をやろう!」
「しっかりと爪を効かせて下りようね♪このアイスバーンじゃ止まらないよ~♪」
と、このような状況でも山を楽しんでいる。
不思議と、Y田リーダーが楽しんでいるのを知ると自分の気持ちが少し楽になった。
不慣れなアイゼン歩行で太腿の筋肉がパンパンになりながらも気分を入れ替え、ゆっくりと正確に歩くことに専念する。
登り時の倍以上に長く感じたアイスバーン地帯をやっとの思いで過ぎ、黒い地面が見えてきたころには太腿だけではなく膝も笑いだしていた。
その後、約1時間程で車を止めている場所に着きこの度の訓練は無事終了。
初の1日雪上トレーニングはとても内容の濃いタメになる内容だった。

5:15太郎坊ゲート 7:302合8勺 10:50宝永山 13:402合8勺 15:00太郎坊ゲート