飯豊連峰縦走

8/11~14 飯豊連峰縦走 K井・S井

6月、K井さんから飯豊に誘われた。胎内川楢ノ木沢を遡行をした時は水量が少なかったため遡行自体はサクサクだったが沢を詰めてからは標高が低いこともあり猛烈な暑さにやられた。藪尾根を朦朧としながら進み胎内第一ダムに着いた時はほっとした。下山直後に飲んだコーラがキンキンに冷えており激旨だった。以来、飯豊は山深く、緑濃く、胎内川・飯豊川等興味深い沢があることから山行機会をうかがっていた。コースはほぼ全てK井さん情報(7月中旬の集中豪雨の影響など)から検討した。北部の朳差岳(えぶりさしだけ)の名が気になって仕方なかったのでコースに入れていただき、東俣彫刻公園~朳差岳~北股岳~飯豊山⇔大日岳~大日杉とした。

 8/11 東京駅~越後下関駅~東俣彫刻公園

越後下関駅から東俣彫刻公園までタクシーで移動。運転手のおばちゃん曰く、今年の夏はどんよりしてよく雨が降る、変な天気だとのこと。近づく山並は雲で覆われていた。公園に着き、落ち着いたところで雨が降り出した。蚊の襲来を受けつつ入山祝いを軽くやってから就寝。

 8/12 0500東俣彫刻公園~0905カモス峰~1050千本峰~1215前朳差岳~1300朳差岳~1310朳差小屋

公園(標高約200m)から樹林に覆われた林道を行く。林道終点にて既に汗だくとなり水をがぶ飲みしてしまう。登山道に入ると急登が延々と続く。全身から汗が噴出す。サウナ状態の中、夏山に来たことを実感して思わす笑みがこぼれる。カモス峰まで急登であった。前朳差岳でしつこくつきまとっていたブヨがいなくなり谷川の茂倉岳界隈の雰囲気となる。念願の朳差岳は風やや強くガスっており展望ゼロ。小さな祠があった。門内小屋まで行くか否か迷っていたら前方のガスが切れかわいい小屋の姿が見えた。あまりのかわいさに本日のねぐらに決める。小屋内には誰もいなかった。水場から戻ると小屋内に登山者が一人。以後続々と登山者が来る。我々は雪渓の欠片で冷やしたビールで乾杯する。至福の喉ごし。仙台からきた二人組はエネルギーに満ちあふれていた。彼らがザックから出したビールを雪渓の欠片で冷やす。山スキーを好む彼らによると「石転沢は最高っすよ!」「鳥海山は最高っすよ!」…そうか、そんなに最高なのか!ちなみに例年11月末は雷鳥荘を拠点にスキーとのことであった。 

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                    <林道終点>

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                     <朳差岳>

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     <朳差小屋>

8/13 0510朳差小屋~0715頼母木小屋~1005門内岳~1250烏帽子岳~1520御西小屋

夜半便所で外に出たら星が若干出ていた。出発時、稜線はガスに包まれた。頼母木小屋の水場は千代吉沢から引いておりホースからはとうとうと水が溢れでていた。その水はビールと菊水を冷やしていた。後日調べたところ千代吉沢は困難なゴルジュ帯があり5級の沢であった。小屋番の方は飄々とした風情を醸しだしていた。頼母木沢はガスで全く見えなかった。登山道脇にイイデリンドウが見え始めた。門内小屋あたりで断続的にガスが切れ視界を得た。自然と歓声が上がる。しかし飯豊川は見えなかった。梅花皮小屋にて石転沢を見渡す。上部はかなり急でここを滑るのは相当練習してからだなと思う。御手洗ノ池で撮影をする男達がいた。聞けばNHKのクルーで百名山の撮影。池に棲むオオサンショウウオを撮っているのだという。御西小屋の造りは朳差小屋に似ていた。本日はそこそこ歩いたので早々に就寝。

 

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                      <頼母木小屋>

  

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  <門内岳へ>

 

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<御手洗ノ池付近>

8/14 0500御西小屋~0610大日岳~0730御西小屋~0940飯豊山~1230切合小屋

朝、大日岳が完璧であった。喜び勇んで歩き出す。K井さんもご機嫌であった。小一時間で頂上。至福の360度。主稜の東面は雲海で埋まっていた。テントを片付け飯豊山に向かう。御西岳界隈からお花畑となりチングルマ、コバイケイソウなどが咲いていた。飯豊山で眺望を満喫する。頂上に突き上げる大嵓尾根が格好よかった。尾根取付の桧山沢吊橋が雪害により崩壊しており通行不可。主稜の彼方に朳差岳が見えた。切合小屋到着はまだ昼過ぎで下山可能だったが無理せず泊ることにする。仙台から来た登山者によると仙台の沢好きは舟形山の沢によく行くという。東北の山を登りまくっている「鉄人」と呼ばれる女性がおり、K井さんは彼女とすれ違ったとのことだが…。

 

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                    <大日岳へ>

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 <飯豊山へ>

 

8/15 0440切合小屋~0710地蔵岳~0900大日杉

御来光を見送った後は下山にいそしむ。地蔵岳への登りが意外としぶとかった。大日杉からタクシーで羽前椿駅に移動。がま亭(駅から徒歩5分位)で温泉に浸かる。猛暑の中、電車を待った。新潟経由にて帰浜。 

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                   <出発直後>

今山行では単独行の男性によく会った。山をじっくり味わっているようだった。山行を通して静かな山旅であった。また、沢筋を目で追うと必ずどこかに雪渓があった。次回は沢から主稜に出て大嵓尾根を下りたい。