2015/5/23 谷川岳 中央稜〰北稜下降

M本、K野で今シーズン初の谷川に行ってきました。

●アプローチ
 睡眠時間3時間は必要と判断し、かなり遅めの5時に駐車場で起床。すぐに準備をして5時半に出発。周りは大体、4時過ぎに出たようだ。登山センターで計画書を提出して、いつもは薄暗いアプローチもすっかり日が昇った中をのんびり歩く。
 出合に着いて準備。すぐに雪渓となるために軽アイゼンを付けてスタート。雪はたっぷり。テールリッジ基部の岩場はちょっと悪くなった印象。天候は大変良く、相変わらずの暑すぎるアプローチだが、後続も続いているために休みなしでヘロヘロ。衝立基部に着き、やっと休憩出来る。幸いにも後続はいないようなので、先行パーティのセカンドが抜けたのを確認してからゆっくりスタート。

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●中央稜登攀(8:00〰11:30)
1ピッチ目 M本リード(35m・Ⅲ)
久しぶりに触る岩の感触。ゆっくり丁寧に上がることを心がけ、特に問題なくちょっと奥の支点まで。

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2ピッチ目 K野リード(20m・Ⅲ)
一段下がって左から回り込む。ぼろい土のルンゼを上がって少し下の支点まで。

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3ピッチ目 M本リード(25m・Ⅳ)
先行パーティが上がり過ぎたところからスタートしてしまったとのことで、少し待ってからちょい下を右にトラバース。足を大きく開いて周り込み、いつものさらに右側のボロいフェースへ。シーズン初めとあってか、いつもよりも浮いた岩だらけ。先行が上のテラスにいたので、ゆっくり上がる。まだ岩に慣れていないなぁ。。。

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4ピッチ目 K野リード(35m・Ⅴ A0)
真っ直ぐスッキリしたフェースを上がり、途中のテラスを過ぎた辺りから右側のルンゼ沿いにチムニー下まで。久しぶりのチムニーは微妙。今回は上がり切らずに途中でA0しながら左のカンテに移る。全くトレーニング不足で恥ずかしい限り、、、先行も詰まっているようなので、広いテラスで大休止。

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5ピッチ目 M本リード(25m・Ⅲ)
のんびり再スタート。ブッシュと岩のミックス帯をゆっくり上がり、ピナクルテラスまで。岩と岩の間に挟まりながらセカンドをビレーしていい気持ち、、、

6ピッチ目 K野リード(40m・Ⅳ)
前のスッキリした急なフェースを右側から。安定した岩をグイグイ上がる。高度感もあり、一番気持ちがいいピッチ。突き当たりの広い安定したテラスまで。

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7ピッチ目 M本リード(30m・Ⅲ)
ここからの上部は短く3ピッチに切ろうということでスタート。前のザレた岩を一段上がって少し進み、カンテ左側の良く踏まれた簡単なブッシュ帯を上がる。ロープ半分の声がかかり、大きな岩陰の支点で切る。

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8ピッチ目 K野リード(30m・Ⅲ)
特に印象のないピッチ。ルンゼ左の広いスペースまで。ここで先行パーティがチェンジ。

9ピッチ目 M本リード(20m・Ⅱ)
真っ直ぐの岩場もそのまま行けそうだが、ここは手堅く右側の簡単なルンゼ状から。支点もないが簡単に稜線に出て終了。

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 ロープを畳んで靴を履き替え、大休止。のんびりしてから北稜下降のため、右手に歩いて広い衝立岩の頭を過ぎ、一段下がるとはじめの懸垂支点となる。3人パーティがずっと先行したがメンバーの手際がよく、いい会だなぁ、なんて思いながら。

●北稜下降(12:00〰13:40)
(40m)
スッキリ露出した岩に打ち込まれたピカピカの支点から真下へ。高度感もあり、はじめはとても緊張。懸垂途中で絡まったロープをほどきながらまっすぐ下に降りる。すぐに次の懸垂支点がある。

(40m)
木の支点からここもまっすぐ下に降りるだけだが、途中ちょっとしたブッシュがあるので注意。少し細めだがまだ若い木にカラビナも二枚の支点で不安はない。北稜の各懸垂支点は全てしっかりしている。まだまだ高度感あり。

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(40m)
どんな支点かは忘れた。まっすぐルンゼ状を降りて行くと下部は深い笹藪となり、足元も見えづらい。ここからはブッシュ帯。

(50m)
笹薮を向かって左下へ懸垂。次の空中懸垂ポイントの少し上の岩場まで一回で。前のパーティはここをロープ一本で二回に短く切っていた。笹薮の中、角度が少しつくためにロープ回収には注意が必要。

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(40m)
懸垂途中から空中となる。真下まで一旦降り、そのまま先に見える露岩上の次の懸垂支点までそのままロープを引いて歩く。回収も問題となることはないだろう。

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(20m)
最後の懸垂。簡単な岩場を下まで降りて、ここもロープを付けたままでピナクルの少し上まで。

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 ピナクル基部で大休止。北稜下降も無事に終えたので一安心だ。
コップ状岩壁や衝立スラブを眺めながらダラダラと過ごす。テールリッジ上を下降していくクライマーの姿がキレイだ。北稜下降は回収時にロープが挟まるような岩溝はないが、下部はブッシュ帯となるために短く切ることも検討したほうがいいかも知れない。

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●衝立前沢下降~本谷(14:00〰15:30)
 ピナクルから左側への踏み跡を少し下り、そのまま雪渓沿いに下る。前の細い雪渓を奥へトラバースし、略奪点経由で衝立前沢に入る。上部は右岸の木々を掴みながら雪渓沿いを下り、雪がなくってからは普通の沢下り。全体的に水量もそこそこあり、明瞭な踏み跡も特にはなく、所々イヤらしいところが出てくるので慎重に。そのまま最後の滝を丁寧にクライムダウンし、テールリッジ手前の本谷雪渓上に飛び移る。ここの滝には懸垂用のボロい支点があるので安全に懸垂した方がいいかも。雪渓への移りも今後の雪の状態によっては厳しくなるだろう。思ったよりも衝立前沢の下降には時間がかかったし、もう少しスッキリしているかと思った。

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 本谷雪渓上で一休み。振り返れば今日のルートが一通り見える。満ち足りた気分でのんびりと雪渓を下るとすぐに出合が見えてきた。(M本)