2015/6/13 谷川岳 南稜〰国境稜線

 M本、Y本で谷川に行ってきました。

 今回の課題は、今さらだが国境稜線へ抜けてきちんと概念を掴むこと。梅雨のこの時期、雨で無理かと思っていたが幸いにも程よく曇り、絶好のコンディションとなった。

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●アプローチ(5:30~7:50)
 いつものように5時に駐車場で起床し、5時半過ぎに出発。前回よりも駐車している車が多く、イヤな予感がする・・・
 またまたすっかり明るいアプローチを経て出合まで。雪渓が前回からかなり減ってきているのが分かる。ホントに楽な雪渓歩きからテールリッジ基部の岩場へ取り付く。今回も天候良く、相変わらずの暑すぎるアプローチだが、前回と違って前後に他パーティがいないため、ゆとりを持って上がることが出来る。
 衝立基部で少し休み、落石に注意しながらのトラバース。目指す南稜テラスはすでに人がいっぱいだ・・・テラスに着くと3パーティが待ちの状態。すぐに後続も現れ、15名程が大集合。早くスタートしない自分達が悪い・・・それでも1時間強の待ち時間でスタートすることが出来る。

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●南稜登攀(9:00~12:00)
1ピッチ目 M本リード(15m・Ⅲ)
前のパーティに続き、チムニー手前のテラスまで。この後も全ピッチ待ちながらの登攀となる。

2ピッチ目 Y本リード(15m・Ⅳ A0)
チムニー入口がちょっとムズい。A0でどんどん上がる。

3ピッチ目 M本リード(30m・Ⅲ)
出だしの支点は少なめだが、右寄りに丁寧に上がって行けば問題なし。フェースを一旦上がると簡単になり、あとは上の支点までロープを伸ばす。

(50m)
二人でロープを抱えながら斜面を上がり、上の岩場も少し上がって支点の一段下まで。

4ピッチ目 Y本リード(20m・Ⅳ)
前のフェースを一段上がり、すぐにカンテを左に俣いで直登。
ちょっとイヤらしい一歩を上がり、左からカンテを巻いて登るとすぐに支点。

5ピッチ目 M本リード(45m・Ⅲ)
みんなはすぐに馬の背に上がっているが、自分はもう一段上がったところから。先行パーティのトップが自分の少し下を上がってきていたので先行させてもらい、馬の背途中の支点で切る。

6ピッチ目 M本リード(15m・Ⅳ)
一段上がって広いテラス状から右のチムニーへ入る。その上もちょっとイヤらしいところ。ここを抜けると最後の垂壁下の広いテラス。

7ピッチ目 Y本リード(20m・Ⅳ)
核心のピッチ。下の少しヌメった斜面を上がり、乾いた垂壁に取り付く。丁寧に上がればしっかりとホールドはあり、最後の抜け口まで。おなじみの左手アンダーを取って、右手を上に伸ばせば簡単にガバ。特に問題なく終了点に上がり、そのまま一段上までロープを引いて終了。

 一旦ロープを畳んで靴を履き替えて休憩。ここで先行していたパーティからロープウェイが点検中で停まっているとの情報を得る。ラクして下山をもくろんでいたが、西黒尾根下降を決意・・・

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●南稜終了点から国境稜線(12:20~14:10)
 国境稜線までは早めに抜けたいので、さっさと食べて飲んで出発。右側に烏帽子岩を見ながら踏み跡を上がると染み出しが多い岩場。右のルンゼ状は丁度上から懸垂してくるパーティがいるので、その左側を丁寧に上がる。一旦上がると尾根状となり、所々出てくる岩場の横を縫うようにブッシュの踏み跡を上がる。ある程度上がると視界も開け、左側には笹藪が広がり爽やかな雰囲気が心地よい。その後の尾根上の岩稜歩きも変化があって楽しみながら上がることが出来る。約1時間で5ルンゼの頭らしきところに到着。 ここは前会長のアドバイスを思い出し、靴を履き替えロープを出す。出だしは岩も脆く丁寧に上がるが支点もそこそこある。約20m上がり切った右側の岩場の支点でセカンドを迎える。いろいろな考え方があると思うが、ここはロープを出すべきところ。

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 気持ちのいい稜線歩きは続き、大きな岩上を歩いて上がるとだんだんと笹藪が出てくる。最後の広い斜面を上がると国境稜線だ。

 南稜終了点から国境稜線まではすぐの岩場と5ルンゼの頭さえ注意すれば特に問題となるような部分はない。踏み跡も明瞭で藪漕ぎに苦労する部分もないだろう。傾斜が一定なので歩き易いが、稜線まで結構高度を上げているのは確実。天候次第ではかなりバテるのではないだろうか。

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●国境稜線から西黒尾根下降(14:40~19:30)
 ほんの少し歩いて一ノ倉山頂と避難小屋を見学後、稜線上で休憩。これから目指す肩の小屋が遥か彼方にポツンと見える。いや~遠いなぁ。しかし、稜線上には時間が遅い為かロープウェイが停まっている為か、人もほとんどいないので静かな山を楽しめる。
 すぐにノゾキ。ここから見る岩場は遥か下にあり、南稜を下降しているっぽいパーティも見える。さらにダラダラと歩いて行くと鳥居を潜ってオキノ耳からのトマノ耳。ここからさらに西黒尾根を下降するので肩の小屋に寄って飲み物を1リットル購入。
 すぐのちょっとした雪渓を横切るとすぐに西黒尾根に乗る。視界は良く、これから下る傾斜は緩いが長い尾根が良く見える。上部の岩場を丁寧に下るとラクダのコル。丁度コースタイム通りのゆっくりしたペースだ。しかし、稜線に出てからはブヨだらけでウンザリする。虫除けを休憩毎に振りかける。
 左手によく見えるマチガ沢を眺めながら少し下ると樹林帯。その後もダラダラ休み休みのんびり下ると途中で暗くなり、久しぶりにヘッ電を点けながらの下山。駐車場に着いたときには真っ暗になっていた。(M本)