20190810-12 剱岳八ツ峰主稜下半縦走

久しぶりに夏の剱岳の雰囲気と剱岳のバリエーションルートを味わいたくて計画しました。八ツ峰主稜は以前に上半分のみ縦走を行いましたが、下半分も気になっていたので、時間と体力が許す限りで全縦走を計画してみました。

初日、扇沢から黒部立山アルペンルートを使って室堂に入山。お盆休み初日ということもあり、早朝から(深夜から?)圏央道と中央高速が渋滞していて入山が遅くなりましたが、良い天気で立山が迎えてくれました。

剣沢の警備隊駐在所にて雪渓の様子を確認。明日は大気不安定の予報だったので、警備隊の方が「午後の雷雨に注意!!」の文言を白板に追加されました。

この日はベースの真砂沢ロッジまで行って幕営。入山祝いをし、翌日に備えました。

2日目の朝4時ちょっと過ぎに真砂沢ロッジのテント場を出発。

長次郎谷の入口。真砂沢ロッジから登って来る人や剣沢から降りて来た人たちが続々と長次郎谷に吸い込まれていきました。

1,2のコルへ上がる入口目印の岩小屋です。我々が着くと、1パーティーが丁度ここから出発して行きました。

右のルンゼ沿いを登ります。

落石、落岩、浮石注意!!

1峰が右上奥に見え、そろそろ稜線も近いなと感じたところが分かれ道。右側のスラブ状の岩壁を詰めて右に回り込むように登れば稜線に出そうだなと思ったのですが、途中1m弱ほど悪いところがあり、登れないことはないのですが逆層スラブっぽくて登った先で行き詰ったらやだなぁとちょっと悩む。結局先行パーティーが左の草付きに上がって行ったので、そちらにつられてしまいました。。。

ここから草付き斜面を、稜線に上がれそうな場所を窺いながら左へ斜上していきました。

途中で雷鳥親子に遭遇。ほっこり。

なんとか稜線に上がれそうなルンゼをみつけて登りました。結局3,4のコルに上がったようでした。

4峰に登って、1~3峰を振り返る。中央(右から2番目)が1峰、その左で頂点が左に向いているのが3峰、その左奥が2峰のようです。1峰はともかく、2峰と3峰は登りたかったのですが。。。

八ツ峰下半分の縦走は、登って懸垂、登って懸垂の繰り返しです。ここは4峰から三の窓側への懸垂箇所です。我々は50mロープ1本のみだったので、ここは、20mの懸垂を2回行いました。

5峰の懸垂の開始地点。右上に見えるのが剱岳本峰。そこから左に伸びる稜線が源次郎尾根です。源次郎も2峰の懸垂待ち渋滞が出来ていました。

ここから長次郎谷側に15m、10m、20mの懸垂を行いましたが、50mロープ1本では、20mx2回の懸垂で済んだことに後で気づきました。最初に20mの懸垂でテラスに降り、そこから右側に7、8m歩いていくと次の支点があるので、そこで2回目の20mの懸垂が可能です。2回目の懸垂の支点が1回目の懸垂終了地点から見えないので不安になりますがテラスを歩いていけば支点が見つけられます。

3回目の懸垂終了地点から上を見上げる。

長次郎谷側の懸垂終了地点から、またバンドを右側(三の窓側)へ10mほど進んで、ちょっと下に降りた所で最後の20mの懸垂の支点があります。最後の懸垂でちょうど5、6のコルに降りられます。

懸垂終了地点から目の前の6峰の登りを見上げる。中央からちょい右のガリーを上がって行ったような記憶が。。。

この時点でちょうど正午。上半分を進むのは時間的にきついかなと思い(午後の雷雨注意の文言も浮かんだりして)、ここで終了とすることにしました。

5,6のコルを下り、雪渓に降りた所です。長次郎谷右俣の上は雪が切れそうになっていましたが、降りてくる人達は結構いました。熊の岩には10張以上のテントが張られていました。

6峰のA、C、Dフェース。終始登っているパーティーが見受けられました。

5,6のコルを振り返って。

真砂沢ロッジに到着。テント場は学生さんたちもいて賑わっていました。とりあえず、我々も、夏らしい剱岳の雰囲気を味わいながら乾杯しました。

 

翌日は下山日。結局終始天気は良かったです。剣沢のテント場から八ツ峰を振り返って復習。

下半分をズームイン。また行く機会があれば全縦走をしたいなぁ(ちゃんと全峰登って)。

久しぶりの剱岳でしたが、やはり剱岳独特の雰囲気を味わえて満足でした。岩と雪の殿堂は変わらない魅力を与えてくれますね。(S井く)