20190901県連渡渉講習


(中州から対岸までは流れの強い箇所も・・・)

登山の際、ちょっと幅の広い沢を渡渉することがありますが、増水していて渡ることに危険を感じる場合もあると思います。そんな時の渡渉技術を体得しようと、Y本さんとI塚で神奈川県連救助隊主催の渡渉講習会に参加してきました。講習場所は、御殿場線谷峨駅から歩いて15分位の酒匂川。幅30m位の鮎釣りが行われるようなあまり深くない川ですが、場所によっては腰までの深さがあります。特に中州から対岸へは流れが強い箇所があり、足がすくわれるほど。


(苦戦してます)

まずは中州まで張られたロープに、ハーネスのビレイループにつけたセルフビレイをセットし単独で渡渉しました。セルフはビナをつけた60cm程度のスリングを2本つけ、結び目を通過する際はそれを1本ずつ次のロープに移すという、トラバースでの支点通過と同じ技術です。注意点としては、深いところではザックが浮くことで腰が持ち上がり頭が水没してしまうため、ザックの腰ベルトは外しておくこと。あと、足を高く上げると不安定になり、流れが強いとあっという間に倒れてしまうのですり足歩行すること。

その後は3~4人に分かれて、スクラム渡渉。3人で渡渉しましたが、以前やったことのある輪になるスクラムとは違って、一列で進みます。流れに向かって正対して渡る方法もあるそうですが、やや斜めになってみたら、歩行速度は落ちますが安定して移動できました。スクラム渡渉は1人が流されそうになっても、他の人が支えてあげることができますが、真ん中の人が歩きにくかったり、足を踏まれてしまいがちなのが難点でしょうか。これは出す足を揃えるため掛け声をかけることで、防ぐことができます。


(スクラム渡渉は体格が似ている人と組んだ方が動きやすいようです)

ロープを使う末端交換三角法のトップ体験は希望者のみとのことで、Y本さんとI塚も参加。できれば三角法を支点を作るところからやりたかったのですが、時間が足りず部分的な体験となりました。実際に行う場合は、確保者より上流にある木や岩にロープの片方の端を固定、トップはビレイループに環付きビナをつけロープを通し、対岸へ移動します。もしトップが流されても、確保者がロープを引けば流れに沿って岸にたどり着けます。講習会では、トップはビナではなくATCをつけて、懸垂下降の要領で目的地へ背を向けながら移動。思うにビナではなくATCを使うと、トップが自分の思うようにテンションをかけられるので、流れが速い時に有効かと思います。

訓練後、沢において増水した場合は傾斜があるおかげで比較的早く水量が減るので、無理して渡渉するよりも安全圏で待った方が良いというお話もありました。確かに増水していると下山を急ぎたくなりますが、状況を見て渡渉するかどうかを決めるべきですね。あと体格の差によって渡渉の危険度も変わってきますので、パーティの構成を考えての判断も必要かと思いました。