2021.03.14赤岳主稜

爆風の赤岳主稜へUさんと日帰りで行って来ました。元々北アルプスを予定していましたが、天候悪化で転進、八ヶ岳へ変更しましたがやはりこちらも前日までの低気圧の影響で50cm以上の積雪があり、新雪のドカ雪と強風でコンディションは決してよくありませんでした。赤岳主稜は赤岳頂上山荘に真っ直ぐ抜ける7ピッチのバリエーションルートです。

前日のドカ雪で南沢のトレースがほぼ無くなっていました。

本来ならこの辺で赤岳が正面に見えるのですが、この日はガスでみえません。

行者で支度をして文三郎の急登を行きます。登頂を諦め引き返してくる人達とすれ違います。※アイゼンも新雪の為雪を噛まない状態でしたので体力を余計に使います。二週間前に来た赤岳とは別の山でした。

樹林帯を抜け、この先辺りが主稜へのトラバースポイントでしたが強風で前が良く見えません。トラバース地点を探すのに文三郎を登ったり下ったり。そのうち大阪から来たパーティーが下って来たので話を伺うとタイムオーバーで諦めたとの事。

トラバースを半分以上渡った所で、やっとチョークストーンらしき物が見えて来ます。雪崩に注意しながら渡ります。

1ピッチ目取り付き チョークストーンは鬼のような形相で、氷の息を吐きかけながら私達をまっていました。まずは私のからリードさせて頂きつるべで登って行きます。

1ピッチ終了点から振り返って見て

2ピッチUさんのリードが終わりビレー解除した所、今回はUさんが用意してくれた無線が非常に役に立ちました。

2ピッチ目終了点から下を覗いた所

3ピッチ目 正面に見える主稜に向かって行きます。先行者もトレースも見当たらないので地図だけが頼りです。

踏み固まれていない雪の上を歩くのは気持ちいいですね。

5ピッチ目 実は4ピッチ目は雪で埋まってしまっていたので、一気にロープ一杯の5ピッチ迄。前のグループに追いついてしまいました。

5ピッチ目 ~の80mはコンテで登ります。

6ピッチ目 付いた時は前グループのトップがまだ登っている最中で待つことになりました。ハードシェル、ソフトシェル両方着込んでいても強風が肌を突き刺す。後でログを見ると50分位待っています。ルート上一番の風の強い場所でこの待ち時間はこたえました。

時間が有ったので周りの様子を撮って見ました。

6ピッチ目は私が行きます。最初の岩を乗り越した先の右側にあるこのチムニーを登ります。上からの大量のスノーシャワーでサングラスが氷り視界ゼロへ 岩もボロボロで崩れてくる等色々あり難儀しました。

チムニーを登って振り返った所

6ピッチ終了点 今回は60mシングルロープを使用

そこから振り返った所

7ピッチ目 前のグループに邪魔にならないようにコンテで右側を抜けて、先に山頂まで行かせて貰いました。山頂で青空が広がっているのが解ります。

赤岳頂上山荘から赤岳展望荘まで下ります。奥に見える展望荘はほぼ埋まっています。

下って来た足跡を振り返って、殆どノートレースの中、足を取られないように気を付けて下りました。この週末ほぼ山頂を踏んだ人はいないと思われます。

お地蔵さんに今日一日の安全を祈願して下ります。ただよく見ると顔が怒こっています。

地蔵尾根もこの辺はノートレースです。雪庇に気を付けて下りました。

この頃には日差しも強く樹氷も輝いてきました

行者小屋に戻ってきました。屋根まで埋まりそうです。

今年もカモ太郎が挨拶に来てくれました(笑)

最後に

今回はガスガス、ホワイトアウト、強風、スノーシャワーと洗礼を受けましたが終わって見ればいい経験が出来た楽しい山行でした。同行して頂いたUさんありがとうございました。