20190503五竜遠見尾根

平成から令和への改元となった、2019年のゴールデンウイーク。
ところが前半の天気が良くなく、なかなか出発できませんでした。
そうこうしているうちに当初の計画が変更となり、Y本さんとI塚で五竜G0を目指すことに。

予報を見て解ってはいたのですが、五竜はかなり温かく、シュラフも3シーズン用のものでOKでした。
しかしこの気温の高さのせいで雪が腐り、スノーバーでの支点が取れなさそう。
アックスもきまらなさそうなのと、小規模なデブリも散見できたので、現地入りしてから遠見尾根に変更することにしました。


(途中には細めリッジも)

初日はテレキャビンというゴンドラの発着所であるエスカルプラザまで30分位歩き、アルプス平までゴンドラで移動、そこからはスキー場の隅っこを歩いていきます。
最初に現れる小ピークである地蔵ノ頭は巻いていき、その後小遠見山、大遠見山という小ピークを経て進んでいきました。

西遠見山手前でビバークしようと思っていたのですが、風がかなり強くなり、全荷もつらいので大遠見山を過ぎたあたりでビバーク。
手を離したらテントが飛ぶほどの強風だったので、雪ブロックを切り出して風上に積みました。


(西側に雪のブロックを積んで風よけに)

翌日は西遠見山を経由して新岳へたどり着きますが、ここもほとんどの人は巻いていきます。
新岳を巻いた後のトラバースがナイフリッジと聞いていたのですが、道がついているカールの裏側は普通のトラバースで、特に危険はありませんでした。
ただし雪がかなりぐずぐずで、アイゼンがきまりにくく、ピーク手前の急な雪壁の下りはちょっと緊張。
I塚の調子が悪く明るくなってからの出発だったのですが、天候のコンディションが良く、ヘッデンを出さずに済む時間にはビバーク地に戻れました。
ところで五竜岳といえば、武田家の紋である菱形の雪形である「武田菱」が有名。
この雪形を御菱(ごりょう)と呼んだことから、「ごりょう」がなまって「ごりゅう」になったという説があるそうです。
登頂日は天気がよく、この武田菱もよく見えました。


(雪が多い季節の方が、武田菱もはっきり見えそう)

翌日下山した時の五竜の街は、日中の気温が19度となり、Tシャツでも大丈夫だったほど。
G0を目指すなら、遅くとも4月の半ばに来た方が良さそうです。