20190721新崎川・中尾沢

湯河原というと幕岩に行くことはあっても、沢に行くという選択肢はあまりないと思います。ところが「東京起点の沢登りルート」にも載っていないけれど、湯河原にも沢があります。その新崎川・中尾沢へY本さんとI塚で行ってきました。新崎川の支沢の中尾沢F2が、とても見事な柱状節理(六角形の柱状の岩を束ねたような亀裂が入った火山性の岩)の滝で、今回はそれを見るのががメインです。
(迫力の柱状節理の滝)

アプローチの白銀林道では、中型のイノシシに出くわしてびっくり。突進されたら大変なので身を隠したら、しばらくすると去っていきましたが。入渓点は幕山公園バス停から白銀林道を1時間ほど歩いたところにある、白銀橋。ところが沢は橋のはるか下にあり、懸垂下降が必要かと思ったら、橋を渡った左側に沢へと下りる道がありました。
(ガードレールの切れ目から沢へと下ります)

沢自体はロープを出すような滝もないのですが、途中ナメもあったりと変化を楽しめます。しかしあまり人は入っていないようで、岩が苔むしているのが印象的。あと新崎川の上部には倒木が多いと聞いていたので、柱状節理の滝を見たら帰ろうと決めていたのですが、中尾沢も標高600mを過ぎたら倒木どころか伐採された木で埋め尽くされ、まったく登れません。左岸に細い登山道があるのでそちらへ移動したところ、すぐにF1に着くことができました。
(大きい岩が多く、そこそこ疲れます)

F1からは二俣になり、右俣と左俣の間にあるルンゼに固定ロープを発見。そこを登ったら、目の前はF2の柱状節理の滝です。柱状節理は城ヶ崎海岸で見たことはありますが、沢で見るのは初めて。この滝は「六方の滝」と呼ばれ、滝好きな人の間ではよく知られているようです。この日もカメラと三脚を持ったハイカー男性に遭遇。沢ではなく登山道を利用すれば、バス停から2時間もかからず来られるので、滝だけ見学も可能ですよ。
(中尾沢F1は柱状節理が崩れた感じで、F2ほどの美しさはありません。)

20190526一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜


(ところどころ雪が残る一ノ倉沢)

まだ雪渓が残っているうちにと、Y本さんとI塚で一ノ倉沢南稜へ行ってきました。先週も企画していたのですが、南稜テラスへ向かうトラバースでブロック雪崩があったとのことで、さすがに危険なので延期。例年になく雪が多かったのが理由だそうです。

その後大雨が降ったことでブロック雪崩が落ちきったそうで、今週決行することに。しかしクライマーの考えることは皆同じ、絶対混雑するだろうとかなり早起きしたおかげで、一番乗りで登攀開始。この日は気温が上がりかなり暑かったので、待ち時間がなかったのは助かりました。しかし南稜には10パーティ位入っていて、懸垂下降も待つこと数回。結局計画通りのタイムスケジュールになってしまいましたが。


(雪渓がしっかり残っていました)

一ノ倉沢出合からすぐの右岸の雪渓に亀裂があったので、左岸を通って奥へ。雪渓はかなり残っていて、テールリッジ末端のフィックスロープが垂れている所へ到着できました。その後は後続を待たせては悪いと、しゃかりきにクライミング。登っている途中、ドドーンとすごい音がして左手を見ると、滝沢からブロック雪崩が大量に落ちていました。規模はこの朝のものが一番大きかったですが、この日はもう2~3回雪崩があり、やはり気温が高くなったせいなのでしょうね。

今回は5P目の馬の背リッジでY本さんがけっこう伸ばして登ってくれたので、全部で6Pとなりました。核心の7P目が今回は6P目にあたり、ここはやったことがなかったのでトライすることに。Y本さんに以前、核心部は引き出しの取っ手のようなポケットが見えたら左手でとり、アンダーで持ったまま右手を伸ばすと上にガバがあると聞いていたのですが、ある程度体を上げると、アンダーを効かせなくてもガバを取ることができました。


(最終ピッチを登るY本さん)

終了後は南稜テラス下まで懸垂下降し、トラバースを戻ります。岩が乾いていたのはありがたいのですが、猛暑で全身疲労がきたのか、今回踏ん張りが効きにくい感じがしました。とにかく暑くて暑くて、下山後いくら水分をとってもちっとも渇きが癒されないのです。これからもっと暑くなっていくでしょうから、先が思いやられますね・・・

20190503五竜遠見尾根

平成から令和への改元となった、2019年のゴールデンウイーク。
ところが前半の天気が良くなく、なかなか出発できませんでした。
そうこうしているうちに当初の計画が変更となり、Y本さんとI塚で五竜G0を目指すことに。

予報を見て解ってはいたのですが、五竜はかなり温かく、シュラフも3シーズン用のものでOKでした。
しかしこの気温の高さのせいで雪が腐り、スノーバーでの支点が取れなさそう。
アックスもきまらなさそうなのと、小規模なデブリも散見できたので、現地入りしてから遠見尾根に変更することにしました。


(途中には細めリッジも)

初日はテレキャビンというゴンドラの発着所であるエスカルプラザまで30分位歩き、アルプス平までゴンドラで移動、そこからはスキー場の隅っこを歩いていきます。
最初に現れる小ピークである地蔵ノ頭は巻いていき、その後小遠見山、大遠見山という小ピークを経て進んでいきました。

西遠見山手前でビバークしようと思っていたのですが、風がかなり強くなり、全荷もつらいので大遠見山を過ぎたあたりでビバーク。
手を離したらテントが飛ぶほどの強風だったので、雪ブロックを切り出して風上に積みました。


(西側に雪のブロックを積んで風よけに)

翌日は西遠見山を経由して新岳へたどり着きますが、ここもほとんどの人は巻いていきます。
新岳を巻いた後のトラバースがナイフリッジと聞いていたのですが、道がついているカールの裏側は普通のトラバースで、特に危険はありませんでした。
ただし雪がかなりぐずぐずで、アイゼンがきまりにくく、ピーク手前の急な雪壁の下りはちょっと緊張。
I塚の調子が悪く明るくなってからの出発だったのですが、天候のコンディションが良く、ヘッデンを出さずに済む時間にはビバーク地に戻れました。
ところで五竜岳といえば、武田家の紋である菱形の雪形である「武田菱」が有名。
この雪形を御菱(ごりょう)と呼んだことから、「ごりょう」がなまって「ごりゅう」になったという説があるそうです。
登頂日は天気がよく、この武田菱もよく見えました。


(雪が多い季節の方が、武田菱もはっきり見えそう)

翌日下山した時の五竜の街は、日中の気温が19度となり、Tシャツでも大丈夫だったほど。
G0を目指すなら、遅くとも4月の半ばに来た方が良さそうです。

20190420白馬主稜

GWは混みそうなのでその前に行こうとのことで、Y本さん、U島さん、I塚で白馬主稜へ行ってきました。二俣で前泊し、GWまでゲートが開かないため5km以上ある猿倉まで徒歩で移動。白馬尻まで更に2時間強かかるので、ここで幕営して翌日登攀する人も多いとのこと。
(猿倉荘のトイレも雪の中)

白馬尻に着き、白馬大雪渓を見るとけっこうデブリも出ている様子です。翌日ここを下ることができるのかな?とちょっと不安に。私達より後から来て白馬尻でテントを張ったパーティもいたようですが(夜になってからヘッドランプの灯りが見えたため)、翌日の行動時間が長くなるので、私達は上がれるところまで上がることにしました。
(休憩も斜面で)

8峰から取りつき、なるべく距離をかせいでおくため56のコル位まで行きたかったのですが、なかなかはかどりません。そうこうしているうちにいい時間になってしまい、これ以上進むと56のコルに到着できなかった場合、その先がリッジでテントを張れそうもない感じ。風が強くなってきたこともあり、7峰でビバークすることになりました。
(そろそろビバークの予感が)

ところが斜面上なので適地がなく、Y本さんとU島さんが斜面を掘りまくって整地。風が強くてテントが飛んで行ってしまいそうなので、I塚はテント内に入って重しに。そんなこんなで整地に1時間以上かかってしまいました。しかもビバーク地は70度近い斜度があり、滑落したら白馬尻まで落ちてしまうので、夜トイレに行くのも決死の覚悟・・・
(テント設置に大奮闘)

風は夜中かなり強く吹き、テントもバタバタとはためき続けてほとんど眠れません。翌朝検討して、強風のこともあり時間がかかりそうなので撤退することに。もっと上部でビバークできるよう、次回はゲートが開く時期に挑戦したいと思いました。

20190302阿弥陀岳中央稜

Y本さん、I塚で、阿弥陀岳中央稜に行ってきました。
ロープが必要ないアルパインなのですが、想像よりも長くて急登もあり、終わった時はけっこうへとへとに・・・


(雪は稜線に出るまでは少なめ、林道は凍ってました)

前夜に舟山十字路に到着、仮眠したのですが、朝I塚の調子が悪くて二度寝し、7amに出発。
この出発の遅れもあって、下山もかなり遅くなってしまいました。
中央稜への取りつきへは舟山十字路そばのゲートを越え、広河原沢沿いにしばらく進みます。
右俣との二俣まで1時間半位で到着しましたが、中央稜取りつきがどこから始まるかは判然とせず。
適当なところを登ったら結構悪く、後でGPSを見て確認したらもう少し北寄りだったようで、二俣からすぐ登った方が良さそうでした。


(中央稜取りつきからは樹林帯が続きます)

そこから先は樹林帯で、赤テープやマークが豊富です。
ところがどうやらしばらく誰も入っていないらしく、トレースがありません。
しかも標高が上がるにつれ徐々に雪の量が増え、さらさらの雪が膝上までになり、一歩登ってもまた一歩下がるようなラッセルに。
ところどころ急登で、木を掴んで這い上がるような場所もありました。


(枝をかき分けて登ったら、積もった雪が首筋に入ってしまったY本さん)

やっと樹林帯を抜け、大同心を小さくしたような下部岸壁の基部に到着。
ここは右へ周りこむのですが、基部が大きくて意外と時間がかかりました。
更に登っていくと下部岸壁よりやや小ぶりな上部岸壁が登場、ここは左へ巻いていきます。


(下部岸壁がなかなか巻き終わらず、うなだれるI塚)

上部岸壁を巻き終わると視界が開け、御小屋尾根との分岐近くにある岩峰、西の肩が左手に見えてきました。
しかし稜線に出るとまたもやパウダースノーでずるずる滑ってしまい、必死でラッセル。

この西の肩が自分達が登っているリッジから遠いので、トラバースしようかと思ったのですが、途中に沢筋もあり、御小屋尾根へ這い上がるのも簡単ではなさそう。
仕方なく地道に登り、岩峰を越えたら御小屋尾根への分岐が見つかり、やっと下山開始。
しかしここから舟山十字路に帰るまでがこれまた長く、戻れた時にはあたりは暗くなってしまい、ふくろうがホーホーと鳴いていました・・・


(反対側が切れ落ちていて、ちょびっと緊張するリッジ)

驚いたのは翌日で、小雪がちらつく中、猟犬の吠え声で目が覚めました。
犬を入れていたケースを積んだ軽トラックが複数停まっていて、どうやら猟師さんが複数山に入っている様子。
そのうちパーン!という銃声も聞こえてきて、登山道の近くで猟をしているの?と心配に。
その後食事をした店が、猟師さんがマスターのジビエ料理店だったのですが、マスターは猟で不在とのこと。
もしや舟山十字路の?と思って尋ねたのですが、場所は不明なようで、でも鹿や猪の害獣駆除に行ったそうです。
最後までスリリングな?中央稜でした。