2015/6/13 谷川岳 南稜〰国境稜線

 M本、Y本で谷川に行ってきました。

 今回の課題は、今さらだが国境稜線へ抜けてきちんと概念を掴むこと。梅雨のこの時期、雨で無理かと思っていたが幸いにも程よく曇り、絶好のコンディションとなった。

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●アプローチ(5:30~7:50)
 いつものように5時に駐車場で起床し、5時半過ぎに出発。前回よりも駐車している車が多く、イヤな予感がする・・・
 またまたすっかり明るいアプローチを経て出合まで。雪渓が前回からかなり減ってきているのが分かる。ホントに楽な雪渓歩きからテールリッジ基部の岩場へ取り付く。今回も天候良く、相変わらずの暑すぎるアプローチだが、前回と違って前後に他パーティがいないため、ゆとりを持って上がることが出来る。
 衝立基部で少し休み、落石に注意しながらのトラバース。目指す南稜テラスはすでに人がいっぱいだ・・・テラスに着くと3パーティが待ちの状態。すぐに後続も現れ、15名程が大集合。早くスタートしない自分達が悪い・・・それでも1時間強の待ち時間でスタートすることが出来る。

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●南稜登攀(9:00~12:00)
1ピッチ目 M本リード(15m・Ⅲ)
前のパーティに続き、チムニー手前のテラスまで。この後も全ピッチ待ちながらの登攀となる。

2ピッチ目 Y本リード(15m・Ⅳ A0)
チムニー入口がちょっとムズい。A0でどんどん上がる。

3ピッチ目 M本リード(30m・Ⅲ)
出だしの支点は少なめだが、右寄りに丁寧に上がって行けば問題なし。フェースを一旦上がると簡単になり、あとは上の支点までロープを伸ばす。

(50m)
二人でロープを抱えながら斜面を上がり、上の岩場も少し上がって支点の一段下まで。

4ピッチ目 Y本リード(20m・Ⅳ)
前のフェースを一段上がり、すぐにカンテを左に俣いで直登。
ちょっとイヤらしい一歩を上がり、左からカンテを巻いて登るとすぐに支点。

5ピッチ目 M本リード(45m・Ⅲ)
みんなはすぐに馬の背に上がっているが、自分はもう一段上がったところから。先行パーティのトップが自分の少し下を上がってきていたので先行させてもらい、馬の背途中の支点で切る。

6ピッチ目 M本リード(15m・Ⅳ)
一段上がって広いテラス状から右のチムニーへ入る。その上もちょっとイヤらしいところ。ここを抜けると最後の垂壁下の広いテラス。

7ピッチ目 Y本リード(20m・Ⅳ)
核心のピッチ。下の少しヌメった斜面を上がり、乾いた垂壁に取り付く。丁寧に上がればしっかりとホールドはあり、最後の抜け口まで。おなじみの左手アンダーを取って、右手を上に伸ばせば簡単にガバ。特に問題なく終了点に上がり、そのまま一段上までロープを引いて終了。

 一旦ロープを畳んで靴を履き替えて休憩。ここで先行していたパーティからロープウェイが点検中で停まっているとの情報を得る。ラクして下山をもくろんでいたが、西黒尾根下降を決意・・・

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●南稜終了点から国境稜線(12:20~14:10)
 国境稜線までは早めに抜けたいので、さっさと食べて飲んで出発。右側に烏帽子岩を見ながら踏み跡を上がると染み出しが多い岩場。右のルンゼ状は丁度上から懸垂してくるパーティがいるので、その左側を丁寧に上がる。一旦上がると尾根状となり、所々出てくる岩場の横を縫うようにブッシュの踏み跡を上がる。ある程度上がると視界も開け、左側には笹藪が広がり爽やかな雰囲気が心地よい。その後の尾根上の岩稜歩きも変化があって楽しみながら上がることが出来る。約1時間で5ルンゼの頭らしきところに到着。 ここは前会長のアドバイスを思い出し、靴を履き替えロープを出す。出だしは岩も脆く丁寧に上がるが支点もそこそこある。約20m上がり切った右側の岩場の支点でセカンドを迎える。いろいろな考え方があると思うが、ここはロープを出すべきところ。

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 気持ちのいい稜線歩きは続き、大きな岩上を歩いて上がるとだんだんと笹藪が出てくる。最後の広い斜面を上がると国境稜線だ。

 南稜終了点から国境稜線まではすぐの岩場と5ルンゼの頭さえ注意すれば特に問題となるような部分はない。踏み跡も明瞭で藪漕ぎに苦労する部分もないだろう。傾斜が一定なので歩き易いが、稜線まで結構高度を上げているのは確実。天候次第ではかなりバテるのではないだろうか。

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●国境稜線から西黒尾根下降(14:40~19:30)
 ほんの少し歩いて一ノ倉山頂と避難小屋を見学後、稜線上で休憩。これから目指す肩の小屋が遥か彼方にポツンと見える。いや~遠いなぁ。しかし、稜線上には時間が遅い為かロープウェイが停まっている為か、人もほとんどいないので静かな山を楽しめる。
 すぐにノゾキ。ここから見る岩場は遥か下にあり、南稜を下降しているっぽいパーティも見える。さらにダラダラと歩いて行くと鳥居を潜ってオキノ耳からのトマノ耳。ここからさらに西黒尾根を下降するので肩の小屋に寄って飲み物を1リットル購入。
 すぐのちょっとした雪渓を横切るとすぐに西黒尾根に乗る。視界は良く、これから下る傾斜は緩いが長い尾根が良く見える。上部の岩場を丁寧に下るとラクダのコル。丁度コースタイム通りのゆっくりしたペースだ。しかし、稜線に出てからはブヨだらけでウンザリする。虫除けを休憩毎に振りかける。
 左手によく見えるマチガ沢を眺めながら少し下ると樹林帯。その後もダラダラ休み休みのんびり下ると途中で暗くなり、久しぶりにヘッ電を点けながらの下山。駐車場に着いたときには真っ暗になっていた。(M本)

2015/5/23 谷川岳 中央稜〰北稜下降

M本、K野で今シーズン初の谷川に行ってきました。

●アプローチ
 睡眠時間3時間は必要と判断し、かなり遅めの5時に駐車場で起床。すぐに準備をして5時半に出発。周りは大体、4時過ぎに出たようだ。登山センターで計画書を提出して、いつもは薄暗いアプローチもすっかり日が昇った中をのんびり歩く。
 出合に着いて準備。すぐに雪渓となるために軽アイゼンを付けてスタート。雪はたっぷり。テールリッジ基部の岩場はちょっと悪くなった印象。天候は大変良く、相変わらずの暑すぎるアプローチだが、後続も続いているために休みなしでヘロヘロ。衝立基部に着き、やっと休憩出来る。幸いにも後続はいないようなので、先行パーティのセカンドが抜けたのを確認してからゆっくりスタート。

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●中央稜登攀(8:00〰11:30)
1ピッチ目 M本リード(35m・Ⅲ)
久しぶりに触る岩の感触。ゆっくり丁寧に上がることを心がけ、特に問題なくちょっと奥の支点まで。

1

2ピッチ目 K野リード(20m・Ⅲ)
一段下がって左から回り込む。ぼろい土のルンゼを上がって少し下の支点まで。

2

3ピッチ目 M本リード(25m・Ⅳ)
先行パーティが上がり過ぎたところからスタートしてしまったとのことで、少し待ってからちょい下を右にトラバース。足を大きく開いて周り込み、いつものさらに右側のボロいフェースへ。シーズン初めとあってか、いつもよりも浮いた岩だらけ。先行が上のテラスにいたので、ゆっくり上がる。まだ岩に慣れていないなぁ。。。

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4ピッチ目 K野リード(35m・Ⅴ A0)
真っ直ぐスッキリしたフェースを上がり、途中のテラスを過ぎた辺りから右側のルンゼ沿いにチムニー下まで。久しぶりのチムニーは微妙。今回は上がり切らずに途中でA0しながら左のカンテに移る。全くトレーニング不足で恥ずかしい限り、、、先行も詰まっているようなので、広いテラスで大休止。

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5ピッチ目 M本リード(25m・Ⅲ)
のんびり再スタート。ブッシュと岩のミックス帯をゆっくり上がり、ピナクルテラスまで。岩と岩の間に挟まりながらセカンドをビレーしていい気持ち、、、

6ピッチ目 K野リード(40m・Ⅳ)
前のスッキリした急なフェースを右側から。安定した岩をグイグイ上がる。高度感もあり、一番気持ちがいいピッチ。突き当たりの広い安定したテラスまで。

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7ピッチ目 M本リード(30m・Ⅲ)
ここからの上部は短く3ピッチに切ろうということでスタート。前のザレた岩を一段上がって少し進み、カンテ左側の良く踏まれた簡単なブッシュ帯を上がる。ロープ半分の声がかかり、大きな岩陰の支点で切る。

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8ピッチ目 K野リード(30m・Ⅲ)
特に印象のないピッチ。ルンゼ左の広いスペースまで。ここで先行パーティがチェンジ。

9ピッチ目 M本リード(20m・Ⅱ)
真っ直ぐの岩場もそのまま行けそうだが、ここは手堅く右側の簡単なルンゼ状から。支点もないが簡単に稜線に出て終了。

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 ロープを畳んで靴を履き替え、大休止。のんびりしてから北稜下降のため、右手に歩いて広い衝立岩の頭を過ぎ、一段下がるとはじめの懸垂支点となる。3人パーティがずっと先行したがメンバーの手際がよく、いい会だなぁ、なんて思いながら。

●北稜下降(12:00〰13:40)
(40m)
スッキリ露出した岩に打ち込まれたピカピカの支点から真下へ。高度感もあり、はじめはとても緊張。懸垂途中で絡まったロープをほどきながらまっすぐ下に降りる。すぐに次の懸垂支点がある。

(40m)
木の支点からここもまっすぐ下に降りるだけだが、途中ちょっとしたブッシュがあるので注意。少し細めだがまだ若い木にカラビナも二枚の支点で不安はない。北稜の各懸垂支点は全てしっかりしている。まだまだ高度感あり。

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(40m)
どんな支点かは忘れた。まっすぐルンゼ状を降りて行くと下部は深い笹藪となり、足元も見えづらい。ここからはブッシュ帯。

(50m)
笹薮を向かって左下へ懸垂。次の空中懸垂ポイントの少し上の岩場まで一回で。前のパーティはここをロープ一本で二回に短く切っていた。笹薮の中、角度が少しつくためにロープ回収には注意が必要。

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(40m)
懸垂途中から空中となる。真下まで一旦降り、そのまま先に見える露岩上の次の懸垂支点までそのままロープを引いて歩く。回収も問題となることはないだろう。

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(20m)
最後の懸垂。簡単な岩場を下まで降りて、ここもロープを付けたままでピナクルの少し上まで。

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 ピナクル基部で大休止。北稜下降も無事に終えたので一安心だ。
コップ状岩壁や衝立スラブを眺めながらダラダラと過ごす。テールリッジ上を下降していくクライマーの姿がキレイだ。北稜下降は回収時にロープが挟まるような岩溝はないが、下部はブッシュ帯となるために短く切ることも検討したほうがいいかも知れない。

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●衝立前沢下降~本谷(14:00〰15:30)
 ピナクルから左側への踏み跡を少し下り、そのまま雪渓沿いに下る。前の細い雪渓を奥へトラバースし、略奪点経由で衝立前沢に入る。上部は右岸の木々を掴みながら雪渓沿いを下り、雪がなくってからは普通の沢下り。全体的に水量もそこそこあり、明瞭な踏み跡も特にはなく、所々イヤらしいところが出てくるので慎重に。そのまま最後の滝を丁寧にクライムダウンし、テールリッジ手前の本谷雪渓上に飛び移る。ここの滝には懸垂用のボロい支点があるので安全に懸垂した方がいいかも。雪渓への移りも今後の雪の状態によっては厳しくなるだろう。思ったよりも衝立前沢の下降には時間がかかったし、もう少しスッキリしているかと思った。

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 本谷雪渓上で一休み。振り返れば今日のルートが一通り見える。満ち足りた気分でのんびりと雪渓を下るとすぐに出合が見えてきた。(M本)

20140712-13 北岳バットレス

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メンバー:K野-M本、N田-U島

金曜夜に出発し、ガラガラの芦安駐車場に着く。
仮眠していると後から合流したメンバーから林道が不通との情報を得て、急遽奈良田に2時間かけて移動。結局を広河原を出発したのは8:30頃。
ビバーク予定のため、はじめから水を3L汲んで歩きはじめるが、みんな寝不足。
天気は大変良く、夏本番だ。二俣手前から雪渓となり水を補給しアイゼンで上がる。(11:30)

さらにゆっくり上がると雪渓右手に何本か沢が入る。(13:00)
一番手前のバットレス沢左手の尾根の踏み跡を上がるが、傾斜もありバテる。
さらに上がると下部岩壁が見えてくる。ここまで結構時間がかかった(約1時間)。bガリーは見たところ雪渓もしっかりしていて問題なさそう。ハーネス等を付け、唯一まともなアイゼンを履いたK野がリード。ロープをフィックスし、セカンド以降もなんとか上がり、やっと下部の岩場に取り付く。

下部岩壁 bガリー大滝(16:00-17:30)

1ピッチ目
不安定な取りつきでクライミングシューズに履き替えてリード。まずは正面の茶色い簡単なクラック状を一段上がり、さらに前のフェースを上がる。
2ピッチ目
前のフェースの続きをセカンドで。上部は草付きのバンドとなっており、ここでロープを解く。

そこから一段上がり、左側のはっきりした踏み跡をトラバース。cガリーのガレ場を渡るとすぐにビバーク地点に着く。四人ではちょっと狭いが食事をとり、20:00頃就寝。

3:30に起床。天候は曇り。下の尾根を見るとこちらに上がって来るヘッ電がいくつか見える。軽く食事をして出発。すぐ奥は岩場となりロープを出す。
アプローチシューズのままセカンドで行くが、一段上がってからも右奥へのトラバースはなかなか悪い。もう一ピッチ、前のルンゼ状をリードし、左に少し上がると広いテラス。

バットレス 第四尾根(5:30-8:00)

1ピッチ目(Ⅳ)(M本リード)
前のクラックからリードで上がる。見た目ほどは悪くなく、キレイなクラックに足を突っ込みながら。一段上がると前には広いフェースが広がる。簡単に上がったところで適当にピッチを切る。

2ピッチ目(Ⅲ)(K野リード)
前には大きな三角の岩が見える。リードはフェイスを左側から上がり、上のバンドを右奥に進みピッチを切る。

3ピッチ目(Ⅲ)(M本リード)
岩を回り込んだところからリードでスタート。前のフェースをグイグイ上がると景色も開け、上部は少しリッジ状になってくる。さらに伸ばして安定した第二コルまで。前にはつるんとしたフェースがある。

4ピッチ目(Ⅳ)(M本リード)
前のカッコイイフェース。ここが核心とのことでリードさせてもらう。確かに一段上がると細かい。右のリッジに手ををかけながら正面を上がる。さらに上がるとリッジも立ってきて、大変気持ちがいい。一番奥の懸垂支点で切る。

5ピッチ目
50mロープ一本で真下に10mほど下降。
次のピッチでロープが足りなくなると言われるが、やはり少し下の安定したテラスまで降りる。ここから雨が少し落ちる。

6ピッチ目(Ⅲ)(M本リード)
雨はどうやら降り止まない感じ。急いで前のフェースを枯れ木テラスまでリードするが、やはり最後にはロープが足りなくなり、ビレイヤーに少し上がってもらう。ここから見た景色は絵になる。天気が良ければゆっくり登りながら、いろいろ写真なんか撮りたいところ。

7ピッチ目(Ⅲ)(K野リード)
雨は止まない。K野リードで左にトラバースして行き、解除の声。
後続するが上側のエッジを掴みながら行くと安定する。岩は完全に濡れている。

8ピッチ目(Ⅳ)(M本リード)
前のルンゼをリード。乾いていれば快適だろう。
緊張しながら一段上がり、その上もカムを使いながらA0で。一段上がるとやっと一息。その上も苔気味でイヤらしく、最後は右から抜けて終了。

飲み食いしてロープをしまい、靴も履き替える。雨は本格的になりカッパ上下を着る。
前の草付きの斜面を踏み跡に沿って上がり、20分ほどで登山道に出て、すぐに山頂。
その後も下山までずっと激しい雨が続いた。

感想
初めての北岳だったが雨のために眺望もなく残念。
ルート自体はとても簡単だが、雪渓からのアプローチや高所でのクライミングはシーズン初めのいいトレーニングになる。

 

明神東稜(2013年5月4日-5日)

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今年のGWは別の山行を検討していたが、急遽、Y本、H浦で予定されていた明神に参加させてもらった。三月の上高地アイスでフラフラ散歩した時もカッコよく見えたし、前から気になっていたし。計画的には東稜を上がったあと主稜を縦走するから、周辺の概念も掴めるいいチャンスだ。なるべく二人を邪魔しないように大人しく大人しくついて行こうと思った。

いつもの沢渡駐車場で車中泊してタクシーで上高地まで。準備をして、水をちょっと多めに汲んで明神までのんびり。橋を渡って、すぐ右側の養魚場跡を通り、奥にあるひょうたん池の看板を対岸へ渡る。いい天気だな。

ここから開始。(07:30)ちょっとした樹林帯を赤布に沿って進むと右手は雪のついた沢状となり、傾斜も程よい。少し上がると右側には樹林の細い沢がのび、単独の先行者はそっちに上がったようだ。後ろのメンバーを見ると少し遅れているようだが、ルートも明瞭なので方角的にもあっている右側に同様に入る。さらに緩い傾斜を上がると樹林はまばらになり、沢は広がりを見せ、少し上には宮川のコルらしきものが見えてくる。後ろからは別パーティの若い二人が追いついてきた。疲れた感じのH浦、付添うY本の二人もその後ろから上がってくるが、一応確認してコルまで頑張ってもらう。この先のトラバース部の状態を早く見ておきたいからさ、頑張ってコルまで上がろう。(08:50)

コルに上がると左上には晴天をバックに明神の岩峰が思っていた以上にキレイに広がり、前には問題となる雪面が広がる。トレースもあり、雪の状態も問題ないように見える。若い二人に聞くと今日はバットレス基部まで行くとのこと。ベテランらしいソロのおじさんもだろうな。自分達はひょうたん池までか。。。?
雪の状態を見ながら休憩。他の三人はどんどん先行して行く。ここからは落石に備えてメットを付けて自分達もトラバースして行くが、トレース跡もしっかりあり、雪崩の心配もない感じ。中間のちょっとした岩場を挟んで、さらにイヤな斜面のトラバースを続け、最後に少し上がると尾根に到着。ひょうたん池は右側奥にあるようで、ブロックがキレイに積んである。(10:20)全員が揃い、さすがに時間がまだ早いので自分達もバットレス基部まで上がることに決定。よかったよかった。尾根の先を見ると先行の二パーティはいいペースですぐ上の岩場を抜けたようだ。ハーネス、ガチャを付けて東稜準備。

ここからはY本リーダー先頭にH浦、ラストM本で進む。緩い雪面を一段上がるとちょっとした岩場。右側の灌木が生えたラインを上がるが傾斜は急でも簡単で全く問題なし。岩の所々にちょっとしたつららがあって、ポキンポキンと折って舐めながら上がる。岩場を抜けて、さらに雪面を上がるとどんどん視界が開けてくるが、天候は曇りはじめ、少し雪がチラつく。さらに少し上がった斜面の途中にテン場が切ってあり、ブロックもキレイに積んであるのでのんびり休憩。(12:30)H浦は相変わらずバテているようで、ブーブー言っているが気にしない気にしない。ここまでひょうたん池から一時間半くらい。まあコルまでもう少しでしょう。

さらに尾根を上がると左には明日縦走する主稜がはっきり見えはじめる。広いハイマツが多い尾根を上がりきると、前にはどーんと明神ピークとその下のバットレス、さらにそのすぐ下のコルのテン場が見える。クライムダウンして行くとトイレを備えたキレイなテン場となっており、先行していた二パーティに一番奥の広いスペースをとっておいてもらえた。こういう配慮がとても有難い。(13:50)

テントを張ってようやくのんびり。雪から水を作り食事の準備となるが、久しぶりの作業で思っていたより時間がかかる。しかしせっせと作った水はゴミも浮かないしニオイもないし、美味しいなぁ。食事を終える頃には他のパーティはとても静かになっており、就寝したようだ。自分達も迷惑をかけないようにしないと。今夜の御宿泊は三パーティ。外の弱い雪は夜中まで続いた。

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翌朝は03:00に起床。テントから外を覗くと空にはキレイな星。自分達は今日も、技術的にも体力的にも人数的にも最後に取り付く予定。また、バットレス基部まで来れたので本日中に下山することとした。積雪もほとんどなかったようで一安心。素晴らしい日の出を見たりしながら、ゆっくり出発準備。05:00過ぎに他パーティを追って出発。天候は無風快晴。

基部手前で前のパーティの登攀を見ながらのんびり準備。予定通りY本リーダーがトップで取り付く。(06:50)途中はちょっと躊躇しながらのようだが順調に上がり、セカンドのH浦もビービー言いながらもユマールでサクサク上がっていった。自分はラストで気軽に。中間までは簡単で問題なく上がり、その上の右への一歩のかかりがちょっと微妙か。立ち込んで左足を凹角に上げればあとは簡単。その上を乗っ越して少し上がると支点に着く。ロープを解除して、その上の雪面を先行するが結構傾斜があり、なかなか楽しめる。Y本リーダー先頭にピーク手前の岩場を左から巻いていくと明神のピークだ。(08:00)

天候は無風快晴でグルっと穂高の山々を見渡せて最高最高。いやぁ、これだから山はやめられない!もちろん大休止。他の二パーティも含め、みんな笑顔。この後、予定では主稜を縦走して南西尾根から下山の予定だが、結構満足。奥明神沢は岳沢から前穂への登山者が列をなして上がって来ていて安心して下れそうだ。ソロのおじさんもそこから降りるらしいしな。。。下山も早く出来るしな。。。いいな。。。

しかーし!その時二人の若手ヤングパーティから、こんな素晴らしい条件はもうないだろう、勿体ない、と大変大変有難いお言葉を頂き、年寄りパーチィ我に帰る。確かにそうだな、多分もう来ないし。さあ行きますか!(08:40)

二峰とのコルへ急な斜面を下り、少し順番待ち。一段上がって雪に埋れたトラロープの助けを借りて左へ少しトラバースし、支点に着き準備。(09:30)今度は、H浦リードでY本セカンド、自分はまたまたラストで一ピッチ上がるが全く簡単。右側のフェースでは下部から上がって来たらしいパーティが懸垂下降している。さらに自分達の後ろからはガイドパーティ。ロープをしまって二峰を岳沢側から下り、進んで行くと三峰横。ここから先はずっと、広い稜線をのんびり散歩気分かと思っていたが、基本的に岳沢側を所々出てくる岩場をクライムダウンしながらとなり、結構神経を使う。どんどん進み、最後のコルへの斜面を慎重に下り、少し登り返すと五峰。ちょっと上がるとピークに立てて、ここからは上高地全体が見渡せてなかなか楽しめる。(11:50)

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あとは下るだけ。ハイマツの斜面を下ると広い広い五峰台地となり、だんだん雪もまばらになってくる。その先の南西尾根をテープを見ながら下ると尾根も細くなり、途中から右側の沢に降りる(多分前明神沢かな)。雪が深いがどんどん降りられてラクちん。雪崩を気にしながら左岸沿いを降りていくとだんだん沢は広がりを見せ傾斜も落ちてくる。かなり下り、いい加減疲れて飽きたところで左側に大きくカーブし、少し先で岳沢への登山道に合流した。(13:50)

H浦感想
「明神東稜どうですかね」のY本の一言から始まったこの企画。秋に東稜~主稜経験があり、雪山シーズンも興味あったので勿論了承した。ただ諸事情により山行日数が劇的に減っていた為、山らしい泊まりの山は昨年同時期の白馬主稜以来だった。フル装備で歩ききれるか、雪崩判断は大丈夫か、半分ドキドキ半分ワクワクの緊張丸出しの自分だった。
結果は、とりあえず歩ききれた!一週間前の降雪も、すっかり落ち着いて締まった雪だった。
まぁ、鬼のM本に尻を強く叩かれての歩きではあったけど。「せっかくの山なんで、初日は瓢箪池、二日目は五峰台地辺りで幕営して、ゆったり山に浸かりましょう。」なんて言ってたくせに。嘘つきっ!でもお陰様で久しぶりに心洗われる朝焼けが見れました。諦めずに尻を叩いてくれて有り難う。(ちょっとマゾっぽい 笑)核心のバットレスは、安定したY本がグイグイ行ってくれたお陰で無事通過。これまた有り難う。終始バカ話をしながらの久々の山は、快適で楽しく、とても気持ちの良い山だった。お二人と山に感謝感謝です。

Y本
飲み屋で「明神東稜いきたいです」という会話からスタートした今回。自分としてはとても満足
できる山行となった。バットレスをリードできたことと、フル歩荷で歩き切れたこと。そして、天気にも恵まれ、なによりメンバーに恵まれた。リーダーを受けて下調べやらいろいろとしたけれど
やはり経験、実力ともある2人がいたからこそ楽しめたと思う。二人の掛け合い漫才のおかげ
で歩きも楽だったし、楽しめたし。しかし核心はA崎邸であることは明言しておきたい。