美濃戸口5:50〜6:35美濃戸6:50〜8:45行者小屋9:10〜
10:45岩壁基部11:20〜13:10阿弥陀岳13:20〜
美濃戸口分岐15:00〜15:50駐車場
ごくごく弱い雨の中をライトを付けて歩き始めた。行者小屋の手前までほとんど雪はない。 行者小屋に着くと、辺りは真っ白で赤岳も阿弥陀もまったく見えない。 積雪は20cmほど。少し休んで出発。新しいトレースがあり、それをフォローする。 トレース は文三郎道との分岐を中岳沢に向かっていた。我々もそちらに向かう。少し歩 くと両側 が高くなり、雪が多いと雪崩が心配だ。 10分ぐらい歩くと右手の細太2本の樺に赤テープがあった。 これが北稜への取付きの合図だろうと思い、急な雪面に取付く。 しん どいが、時間的には大したことはなく稜線に出た。 稜線を行くとトレースがあったがすぐに消えた。 疎林の稜線を行き、急な雪面を5mほど登ると視界が開けた。 最も、この日は視界100mほどの真っ白な景色であったが。 ここがジャンクションピークであろうか? 左手に薄っすらと見える尾根はもっと上まで伸びているようであるが。 この辺りから軽く吹雪き始めた。 斜面は急になり、ダガーポジション、時にはピックを 雪面に打ち込んで登る。 しばらくして右手に岩壁が見えてきた。JPから岩壁までかなり 時間がかかった気がする。 岩壁まではすぐという今年1月の記憶があったので、特に辛く感じたのかもしれない。 いずれにせよ、今年1月のコースとは違っていた。 岩壁の様子も1月とはまったく違う。 1月のときは雪も氷もない黒い岩が、真っ青な空にはっきりと浮かんでいた。 今日は、雪が付き白っぽくなった岩が、真っ白な背景にぼんやりと浮かんでいる。 険悪な感じでやる気が出た。 GTトップでスタート。 1月は簡単だった記憶があったが、とても怖い。 途中、ハンガーボルトと枯れ枝でランニングを取 り、テラス手前のピナクルでピッチを切った。 テラスまで行ってもよかったがロープの 流れが悪くなりそうだったことと、 声が聞こえなくなりそうだったことからそこで切った。 HKにはそのまま進んでもらい短い距離であるが、さらにテラスでピッチを切り、 そこからはHKトップで登ることにした。このことで時間がかかってしまった。 ピナクルからは1ピッチでよい。 セカンドのためかテラスからの壁は最初のものより優しく感じた。 最後の短いリッジは雪が少なく、1月よりは大分怖い。 終了点でお互い ロープを肩に巻いて、誰もいない頂上に到着。 360度真っ白のすばらしい眺めを楽しんだ後、 ハーネス以外のギアはザックに突っ込んで御小屋尾根に向かった。 気温が高い(頂上で0℃)上に、 途中から雪が雨に変わったので駐車場に着いたときには全身びっしょり濡れていた。 感想 2人とも北稜は2度目である。そして、両方とも天気に恵まれたという。 今回は一転、 悪いコンディションとなった。 このコンディションの中をGT-HKという同レベルの二人で登り切ったところに意義があると思う。 レベルが上の人と一緒だと、無意識のうちに甘えが出るからだ。 その意味で充実感を味わえた登攀だった。 直前にやった丹沢モミソ沢でのアイゼントレも有効だったと感じた。 一方、行者小屋から頂上まで丁度4時間かかっている。 ガイド本による標準コースタイムは3時間から5時間、あるいは2時間半から4時間となっている。 今回は深いラッセルもなかったことを考慮するとスピードアップが今後の大きな課題であろう。 |