11月1日 雨・晴れ 仙流荘(6:05)−丹渓新道(6:40)−戸台川(7:15)−角兵衛沢取付(7:50〜8:10) −大岩下(10:10)−コル(12:00〜12:30)−第一高点(1 2:50)−鹿窓(13:50) −第二高点(14:50〜15:05))−中ノ川乗越(15:30)−テ ント場(17:05) 仙流荘駐車場のテントを5時起床。予想に反しての雨。 ふと見ると駐車場横の小屋に人が出入りしている。 バス利用者専用の休憩所とあり、中は10畳ほどの広さで畳までしいてあり、 なんと!布団まで用意されている。ぜひ利用すべきだろう。 朝食をとり、満員の北沢峠行き始発バスに乗る。 林道の途中から雨は止み、途中の丹渓新道でバスを降ろしてもらう。 風がたいへん強く、すぐに林道を降りて戸台川の河原に出る。 河原を下っていくが、ピンクのテープがあり迷うことはない。 1つ目のピンクのテープがついている沢が右に見え、熊ノ穴沢。 途中、2回ほどの簡単な渡渉で大きなケルンがある角兵衛沢取付。 休憩後、角兵衛沢取付を出発するが、はじめから森林の急な登りが続く。 それでも森が切れて足元には岩が出てくるようになり、右側に岩壁が近づき大岩下。 テント場・水場は少し奥にあるようで確認することは出来なかった。 ここからさらに延々と続くさらに急なガレ場を登っていく。 左にスフィンクスの岩を見ながら、やっとコルが見え始めるがここからが長い。 周辺の木々には真白な樹氷がつき、本当にやっとの思いでコルに着くが展望 はよくない。 休憩後、ハーネス・アイゼンを着け第一高点を目指す。 雪・樹氷のついた斜面を行くと、20分ほどで第一高点着。 ここでやっと展望が開ける。雪がずっとついた尾根の先には甲斐駒。第二高点はすぐ目の前だ。 すぐに斜面を下り、10分ほどで小ギャップ。 斜面を少し降りて、設置してある細めの鎖を使いクライムダウン。 すぐに草付きの急な登り返し。鎖はあるが雪が結構ついているため慎重に登る。 登りきったするどい岩上には太い鎖があり、ハーネスにシュリンゲ・カラビナでセルフをとる。 ここで今回唯一のロープを出し、トップのGTさんをビレイ。 少しクライムダウンし奥へトラバースしていく。 ロープをフィックスしセカンドHMさんが行く。 最後に自分。途中の灌木での支点を外しさらにトラバースしてセルフをとり解除。 個人的にはロープの必要は感じなかった。 ロープを回収し少し進むと、いきなり鹿窓。 こんなところにあるのか!という驚きと、本当に向こう側が見える!という感動。 穴にはうっすら氷がついている。写真を撮り、設置してある鎖を利用しての長いクライムダウン。 パラパラと細かい落石をおこしながら降りていくと、右側斜面に先頭二人の姿が見える。 これから行くルートを見るが、ピンクのテープがあり過ぎるほどあり迷うことはない。 斜面を右下に下り、今度はバンドを左へ行く。 鹿窓の下のルンゼをトラバースし岩にそってさらに進む。 この辺りはボロボロで、岩がすこし出ているところのトラバースがいやらしい。 さらに進むと左上には大ギャップが見える。 大ギャップからのルンゼをさらに少し右側にトラバースし正面の斜面左側を登る。 斜面途中で右にトラバースし灌木が生えている側へ。さらに上に行き尾根沿いに左上する。 最後にちょっとした岩の斜面を行くと第二高点。 さびた剣が一本立つ。 今回、1番の問題としていたルートの核心を予想より短い時間で過ぎること ができた。(テープのおかげ?) 第一高点、甲斐駒をバックに晴天の写真撮影。北アルプスは雪で真白だ。 さらに先を目指し斜面を下る。 かなり急なガレた斜面の左側を下り、中ノ川乗越着。 テントも小さめなら張るスペースがある。 最悪、ここにテントと考えていたが時間もあるために先へ。 ここから続く雪の多い三ツ頭への登り、それ以降のアップダウンは疲れた体にはかなりつらい。 しかし左側のキレイにとんがっている烏帽子岳を見ながら休みなく進む。 日没の時間となったので六合目石室すぐ手前の森林帯にテントを張り、食事後、就寝。 11月2日 晴れ 起床(4:00)−テント場発(5:45)−六合目石室(6:00)−甲 斐駒山頂(7:40) −六方石(8:15〜8:30)−駒津峰(9:00)−仙水峠(10:00) −仙水小屋(10:30〜11:20)−北沢長衛小屋(11:40)−北沢峠バス停(11:50) −仙流荘(12:55) 上のほうで強い風の音が聞こえるが、この場所は風を完全に防いでかなり快適だった。 さて出発、と思ったら上から3人が降りてきた。昨日の行きのバスで一緒だった人たちだ。 すぐ後ろに3人、2人。聞くと昨夜は石室に8人泊まったとのこと。 すぐに石室に着き、観察開始。 入口には立派な扉、内部の半分には床。屋根もしっかりしており、窓にはガラスもはめ込んである。 (後で仙水小屋で聞いたところ、ヘリで上げたとのこと) このあとは南アルプスらしい、甲斐駒への登りが続く。 途中、クサリや針金の岩場が少しあるが、まったく問題なし。 左側の黒戸尾根からはかなりの人がどんどん登ってくるのが見える。 甲斐駒山頂着。 写真撮影をし、風が強いためすぐに北沢峠側に下山。 バスまでの時間に余裕があるため、のんびり六方石、駒津峰、仙水峠を経由し仙水小屋着。 ここでGTさんの知り合いの山小屋のみなさんに飲み物等を頂き、少し団らん。 みなさん暖かい大変いい人たちで、のんびりした時間を過ごすことが出来た。ありがとうございます。 北沢長衛小屋経由し、北沢峠バス停着。 ちょうど臨時のバスが出るということで待ち時間もなく満員のバスに乗り仙 流荘に着いた。 今回リーダーGTさんから鋸の計画案が出た。 甲斐駒からしか見たことがなかった自分にとっては、 ここまで急峻な山とは思っていなかったため、 行きのバスから見えた雪のついた白い鋸はかなり不気味に見え、 実際も体力的に厳しい山であった。 直前には積雪の情報があり、実際どこまで行けるのか不安な点もあった。 また、ルートファインディングが一番の不安点であった。 しかし今回はめずらしく(?)とても順調に山行を終了することが出来た。 積雪に関しては全体的に雪があったが天候にも恵まれ、 アイゼンで慎重に行動することにより問題なかった。 ルートファインディングは結果的にはであるが、 ピンクのテープのおかげでまったく問題なかった。 (このテープはこの山域全体でかなり見ることが出来た) そして一番はメンバーに恵まれての結果と思う。 リーダーGTさん、HMさんとは一緒に様々な山行を行っており、 各自の体力や考え方等も分かっているため、 パーティーとしてまとまり、安心出来る。 下山直後は疲れて、”もう鋸は。。。”と思ったが、 今は積雪期もチャレンジしたいと思う自分がいる。 |