海金剛左壁全景、赤線が登ったライン 秋も深まりだいぶ冷えてきたので、南国のシークリフで青い海を眺めながらマルチを登ろうと 海金剛へ向かった。 前日夜横浜を出て下田の道の駅で仮眠後、5時に雲見に向け出発、6時に雲見オートキャンプ場着。 距離は150km程だが南伊豆は遠い。明け方ちらついていた雨はやんでいるが、高曇りで海も鉛色、 岩だけでも見に行こうと受付で駐車料金千円を払い、 ガイドどおり緩い右カーブ途中の石積みの切れたところからトレースに入る。 良く踏まれた道で1時間もかからずに海金剛左壁基部に到着。 中央壁側に回り込んでスーパーレインを確認、この天気のせいか他にパーティはいない。 今回はスーパーハルナに行くことにして左壁基部に戻り 8時、装備を身につけ荷物をデポして出発。アンダーフレークに向かってガラ場を登り、 岩場になったところからロープを出した。 1P Yリード 1段岩場を登りススキの密生した右上バンドをアンダーフレーク下の確保点 (ボルト2)まで 2P Kリード 一旦アンダーフレークを直上するが先が無く、左のブッシュへ入り直上、 突き当たったところから右に抜け 岩小屋状下の立木まで 3P Yリード 岩小屋状右のリッジを回りこみ立木の奥の4m程の凹角へ、奥は草の詰まったクラックで 根っ子を掘出してナッツをセットするも二度ほど立木までずり落ちる。 なんとか凹角右のリッジを越えて 緩いフェースに出て、ブッシュ脇のスラブをロープ一杯まで直上し、立木でビレー。 このピッチでルートを外してしまったようで石楠花のブッシュ漕ぎで傷だらけに。 残置がまったく無く登りやすそうなところを選んだ結果か。 4P Kリード ブッシュの中の石垣状の岩場をロープ一杯登り、立木でビレー。 5P Yリード どこにいるか分からないので、とにかく視界の利くところまで上がろうと 大岩を右から10m程登ると ブッシュを抜け、広いテラスに出たので、ピッチを切る。 眼下には海が広がり、上を見ると赤い下部要塞の 壁を確認することができた。 6P Kリード 広く緩傾斜で階段状のフェースを下部要塞に向かってクラックを拾いながら登る。 下部要塞の基部まで、スーパーハルナ、スーパーレイン共通のテラス。ボルト4本の支点。 7P Kリード このピッチは私には厳しいのでK氏にお願いする。スーパーハルナはテラス左端の割れた岩から 左へ移り直上とあるが、スッパリと切れ落ち、支点の無い10aにK氏も踏ん切りがつかず、9の スーパーレインを登る。こちらはワイドクラックで高度感は無いが結構厳しく、 私はジャムが抜けフォール、A0 で越える。ワイドクラックから右のスラブに移り、赤錆びたRCCボルトで支点を取り、 左上、越えたところでビレー。 8P Yリード ブッシュに入るとすぐに記録にあるシャックルのついた支点、正面に上部要塞の壁となる。 正面は軽くかぶったクラックで右側のブッシュに取り付き、左上して上部のフェースに出る。 フェースから浅い凹角を登り左のリッジに回り込んで登りピークに着いた。 K氏をビレーしている間に雨足が強くなってきた。天気さえ良ければ最高なのにと思いつつ 海を眺める。13時登攀終了 雨も降っているので、早々に下降を始める。下降ルートはスーパーレイン。 懸垂1P目は上部要塞基部のシャックルまで、 2P目は下部要塞基部のテラスまで、3P目は先人クラック下まで、 4P目はスーパーレイン3P目下のブッシュまで、ここから ブッシュの中のトレースを下り、フィックスの有る凹角へ、 雨で濡れているため、さらに懸垂で下った。 初めてのルートの懸垂で、ブッシュを通るため、慎重にセッティングを行い、 トラブル無く下降できた。 スーパーレインは下降しただけですが、 ここを代表するルートだけにきれいなクラックのいいルートでした。 このエリアはフリーの岩場として開拓されてきており、残置もなく、 ルートを一から楽しめるエリアでした。 今回はKさんのおかげで完登できました。 スーパーレインも今の私のテクでは無理ですが、いつかはリードしてみたいものです。 15時デポ、靴を履き替え、FIXをユマールで登り返し、16時キャンプ場 雨で濡れたのでキャンプ場の温泉を聞いたが、 今日は宿泊客が居らず開けてないとのことで、伊東まで戻り 東海館で温泉につかり帰りました。ここは古い旅館の建物を移築した公営の温泉で500円と安く、 なかなか面白い温泉でした。 (記 YY) |