小川山 烏帽子岩右岩壁 むささびルート

2010年10月16日


ハイライトのいたちクラックは右の5.10aのルートは難しいと判断し左にルートを取る

 本日は前回のリベンジ。 前回は最後のハイライトのいたちクラックまで辿りつけずに敗退してしまったので、今回は最後まで抜けられることが目標。

 前回は取り付きを探して2時間も彷徨い続けたが、今回は40分弱で迷うことなく取り付きに着いた。 前回の彷徨はなんだったのだろうか・・・。

1ピッチ目(5.10a)− KKのリード。
 1ピン目の古いリングボルトがきれいなペツルに変わっていた。 基本的に抜けそうなリングボルトや古いハーケンばかりのルートなので、それだけでもちょっと頼もしい。 2ピン目は、中央を走るフィンガーサイズの小クラックに何とかカムをねじ込み支点を取る。 それからが核心。パズルを解くように岩を観察するも、なかなかルートが見つからない。 手はカチやらピンチやらと細かいうえに足の置き場が見当たらない。 悩んでいても力を消耗していくだけなので、結局残置ハーケンに乗って先に進む。 今回もきれいには登らせてくれないらしい。ショックのせいか、その先2回も墜落する。 くよくよしてもしょうがないので、気を取り直して先に進む。 一旦右のカンテに出てから左のコーナー沿いに登り、左のカンテを乗り越して終了点に辿りつく。 終了点も前回は古いリングボルトとハーケンで頼りなかったが、今回は新しいペツルに2つとも変わっていた。 しかしこのルート、小川山の他の5.10aのルートより数段難しいと思うのだけど、やはりグレードに見合っているのだろうか。

2ピッチ目(V級くらい?)− OKさんリード。
 そのまま5mくらいのフェースを登り、左のルンゼを登って3ピッチ目基部の大木に出る。

3ピッチ目(5.9)− OKさんリード。
 ひたすら、スラブとの戦い。しかも支点が無いに等しい。 あっても動く古いリングボルトやら貧弱な支点ばかり。 出だし、15mほどランナウト。 見た目とりあえず、左の木の生えたルンゼ寄りにルートを取って、 バンドのところに出、右に少し水平に歩けば1ピン目を確保できるだろうと思っていたけど、やはり支点が無いというだけで心理的に辛い。 そこからも左のルンゼ沿いに支点を取りながら進み、 また右のフェースに出ると中央に貧弱なリングボルトがあるが、そこから先もまた支点がない。 傾斜の立った、手も足もないスラブの壁に不安定な支点1つで突っ込める訳もなく、少しクライムダウンして、左の木を頼りに登る。 この途中、岩が剥がれてOKさんフォール。下からは木の陰に隠れて見えなかったので、YAさんと何事かと驚く。 全てにおいて気が抜けない。 そろそろ木登りは止めてフェースに出たいなというところで右に出てフェースを登り、いたちクラック基部に着く。 このピッチももうちょっと支点が確保されれば5.9をうたってもいいと思うのだが、 今のままで素直にフェース上を登ると、小川山のスラブのルートとしては、5.10cくらいに感じた。

4ピッチ目(5.8くらい) − OKさんリード。
 ハイライトのいたちクラック。 ダブルクラックが始まるところで、やはりOKさんの肩も本調子ではなく、ちょっとかぶり気味のクラックルートなので、 右の5.10aのルートは難しいと判断。左にルートを取る。岩が固いので、フィストやハンドジャムが良く決まる。 左上に見える大きなチョックストーン目指してクラック沿いに進み、チョックストーンを左側から乗り越すと終了。 そこがちょうど良い休憩場所となる。もっとクラックを練習して、来年は右ルートを完登したいところ。

 終了点は眺めが良く、紅葉がきれいだった。 紅葉の絨毯の中に小川山独特の岩壁群がところどころに屹立している様は、不思議な印象だが、見ていて飽きない。 皆とりあえず上まで抜けるという目標が達成されたことで、お互いの労をねぎらった。 でもやはり、何となくすっきりと登れた感じがしないので、もっと練習して気持ち良く完登できるように、来年の課題としたい。 OKさん、YAさん、次回の挑戦もよろしくお願いします。
(KK記)


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