錫杖岳・前衛壁左方カンテ

2010年7月18日


核心の6ピッチ目、混雑しているのでここから懸垂で引き返す

7月18日(日)晴れ
槍見温泉(6:30)〜錫杖沢出合(8:00)〜左方カンテ取り付き(9: 40)〜左方カンテ終了点(14:05)〜懸垂終了点(15:40)

 7月17日の夜に横浜で待ち合わせ、槍見の駐車場には深夜着。空にはうっす ら天の川が流れる。

 7月18日6時に起床。かなりの晴天の中、準備をして電話ボックス横から登 山道に入るが、あっという間にバテる。 途中2回の渡渉をしながら上がって行き、前衛壁が見えてくると錫杖沢出合に 着き、テントを張る。 錫杖沢左岸の樹林帯を行き、途中から沢沿いに上がると前衛壁のすぐ下に出る。 左方カンテ取り付きには、登っている人達も含めて3組ほどがいる。 待ちながら、上でもどうせ渋滞だろうとのことでゆっくり準備。

1ピッチ目
 KTさんリード。前の組は左側の階段状、右側のチムニーを先行していたが、中央の狭いルンゼから上がる。 セカンドで行くが調子は悪く、ツライ。狭いルンゼを上がり、そのあとも木を つかみながらなんとか上がって行く。 難しいところはなく広いテラスに着く。支点はカム2つで左側の大きな岩の割れ目に。

2ピッチ目
 体調悪いままリード。前の階段を上がって行くと結構傾斜が出てくるが、なんとなく行けて問題なし。 さらに上がるとひらけて明るくなり、岩を越えたところに広いテラスがあるが、渋滞していて手前で少し待つ。 前の組が抜けるのを待って支点に着いて解除。セカンドが上がってくる。

3ピッチ目
 トップのKTさんは前の壁を上がり、右上に消えて行く。 しばらくして上には着いたらしいが上がるのは待ってくれとのことで、岩にも たれて広いテラスでのんびり昼寝。 どうぞの声でセカンドで。前のフェースを上がって右側に少しトラバース。 そこからまっすぐ上がって行くが少しかぶっている。しかしガバでフリクショ ンばっちりで高度感もあって大変気持ちがいい。 上がって合流すると、快適だ!とトップが言う。体調も復活してきたし、この ピッチはリードしたかった!

4ピッチ目
 広い場所でまたしばらく渋滞となる。 リードで階段状を上がり前のチムニーに入る。荷物がないためか、見た目と違ってかなり簡単ですぐに抜ける。 そのまま直登して上がった広いテラスで前の組のみんなと太い木を共有して使って支点とする。

5ピッチ目
 渋滞。前の2組はピンがベタ打ちの左側の急なフェースを上がって、右上のチ ムニー状?を上がって行く。 KTさんはフェースを上がってから右上しないで、そのまま左上のクラック横 をカムを決めながら上がって行く。 セカンドで前のフェース行くが、傾斜はあるがスタンスはしっかりあって問題ない。 さらに上がると上から懸垂してくるパーティー。細かい落石を起こして下の組 から注意の声が飛ぶ。 すぐにカンテには上がらないで、右側を進んで突き当たりの岩からカンテに上がる。 さらに進むと明るく広いテラス。テラスには4人ほど。前の組の方が先を譲ってくれる。 またもや前の組の様子を見ながらのんびり。

6ピッチ目
 核心のピッチ。リードで行くがやはり出だしが難しい。アブミを出して上のチ ョックストーンに手をかけて上がるがそれでも結構厳しい。 その上のチムニーは左壁のクラックにカムを決めながらズリズリ。左側の壁に 移って上がるが見た目より立っている。 すぐにカンテに出た方が簡単っぽいが、少し奥のクラックをまっすぐ上がって 最後のフェースに出る。 急なフェースを上がって広いテラスで切ると、上からの組、下からの組が合流 し4組ほどが集まった。 ここから先も混んでいるので、ここで終了として懸垂することに。

 まっすぐ右側に注文のラインを降りて行き、木の多いテラスのさらに少し下のテラスまで。 ここから下のテラスでも渋滞し、結局結構な時間がかかった。取り付きに戻り、デポを回収。 ルートの整備をされているという方達と残置についての話をする。なかなか興 味深い話だった。

感想
 初めての錫杖。天気も大変良く、カラカラに乾いた堅い壁は大変快適。 内容もいろいろな要素があり、残置もあまりなくていいルートだった。
(MD)


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