2015/8/9 屏風岩東壁 東稜

M本・Y本で屏風 東稜に行ってきました。

数年前に飲物も持たずに登り、あまりの暑さに最後まで登れなかったルート。今回は完登したいと久しぶりの屏風を目指した。

初日はT4テラスまで。ゆっくり5時過ぎくらいにいつもの第二駐車場で起きてタクシー乗り場に行くが相乗りする人がいない為、大変立派なバスターミナルまで歩く。ガラガラのバスに乗り上高地のターミナルまで。始めは元気で人も多いので少し急ぎながら明神、徳沢と来ると人も少なくなって来る。横尾で水を4リットル汲み、先の岩小屋跡から対岸へ。渡渉はかなり上流まで上がったが、少し冷たいが素直にすぐのところを裸足で渡ったほうが楽。ここからは目の前の白い沢沿いに上がるだけだが、かなりの暑さでゆっくり。やっと着いた下部岩場の手前には雪渓があり冷たい水が出ている。左から上がるが雪渓がつながっていて断念。再び下り、右手の草付きの踏み跡を上がると下部岩壁に着く。

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登攀準備をして自分のリードでスタート。すぐの場所は一段上がってからの手掛かりがなく、結局はその少し左から。そこからも凹角状を上がって行くが、足元はザレているし結構厳しいピッチとなった。次のピッチはそのまま少し被った岩場をまっすぐに上がって行くがここもツライ。やっと上がって傾斜の落ちた尾根状をロープを引きながら2ピッチで上の岩場まで。一段左上気味に上がるとチムニー。その上はフィックスを使ってT4まで上がる。

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T4にはすでに3張のツェルトで大変賑やかだ。そのままT2まで行くが、草木で足元が見えない為、途中が結構いやらしい感じだが確保するほどではない。T2にやっと着いて一息。2人には丁度いいスペースで大変心地よい。ツェルトを張り、お湯を沸かして夕食。その後はのんびり飲み物を取りながら19時頃には就寝。ダウンとシュラフカバーだけだったがツェルトからはみ出した足元が少し寒いだけで快適に寝られた。

 

翌朝はまだまだ暗い3時起き。ゆっくり朝食をとり、準備をして4時半くらいには準備完了。ヘッ電を点ける必要もなく水500ml、簡単な食べ物を持ってのスタート。

 

●東稜 04:45~10:30

 

1ピッチ
ビバークしたT2テラスから人工でスタート。3ピン目は相変わらず飛んでいるが用意したリベットハンガーで問題なし。リードは少し焦っているようだが、しばらくすると落ち着いてきた。朝一番のピッチは相変わらず体が硬くなかなか苦しい。小ハングを乗越し、テラスをさらに一段上がったビレーポイントに着くがいきなりノドがカラカラだ。

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2ピッチ
テラス左からまっすぐに延びる一番おいしい快適な人工のピッチ。ピンの状態も良く間隔も十分。まっすぐ左上気味に上がり、少し傾斜が落ちたフェースにあるペツルの支点でピッチを切る。アブミを2台使用しての高度感抜群なビレーでセカンドを迎える。

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3ピッチ
テラス左からアブミでトラバースし、すぐのカンテを乗越し、そのまま直上。フリー、A0、A1のミックスで安定したテラスまで。

4ピッチ
軽く飲んで食べてから核心と言われるピッチのスタート。テラスからそのまま右にトラバースしていくが、ぶら下がったスリングも腐食しているものが多い。それでも途中にはペツルがあったり、特に不安となる部分もない。小ハングの乗越しとなるが、ぶら下がったスリングも多く問題なし。前回はギリギリと音を立てたリングボルトも今回は素直に受け入れてくれたようだ。右から少し回り込むように5mほど上がると茶色いフェースにしっかり打たれたペツルの支点に着く。特に難しいところもなく、ここもハンギングビレーとなる。

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5ピッチ
茶色いフェースの続き。右から少しかぶったフェースを一段上がり、その上の凹角に打たれたハーケン沿いに左上する。さらにその上の少しブッシュ混じりの壁を上がると左上に立派なテラスが出てくる。

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6ピッチ
上や左上を見るがピンなどなく、Ⅲ級の岩場などどう見てもないためにトポを確認。どうやらこのテラスから見えづらい右側から上がるようだ。アブミをたたんでテラスから右のギャップを跨いでカンテを廻り込むと確かにザラついた草付きの多い左上するラインがある。スリップに注意しながらフリーで上がるとすぐに木陰のある快適なテラス。少し前の救助時に使用された?新品同様の青と緑のロープが残置されている。。。。

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7ピッチ
最終ピッチ。テラス右から目の前のピナクル状の岩をフリーで上がり、すこしかぶった垂壁を人工でまっすぐに上がる。さらに上部で草付きの多いフェースを右から上がると終了点となる広いテラスに着く。

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●東稜下降 10:45~12:00

懸垂1回目
ここから6ピッチ目終了点の木陰テラスまで短く真っすぐ下に懸垂。

懸垂2回目
ここから5ピッチ目終了点のテラスまで短く真っすぐ下に懸垂。ここまで終了点から1回で降りてこられるだろうと思うが回収が怖いので細かく懸垂。

懸垂3回目
ここからがちょっと不明。しかし、真下を見るとテラスと赤いスリングが見えるためにそのテラスを目指して下降。登りの時に二人で話をしていた、頼りない懸垂支点の場所だった。ハーケン3本にスリング1本と大変心細いため、ロープスリングを1本追加して懸垂することに。

 

懸垂4回目
ここからの下降も次は不明なので、ゆっくり慎重に下降することに。1ピッチ目のテラスが左側に見えたとのことだったが、かなり左となるとのこと。そのまままっすぐに降りていくと少しハングした岩の真下にテラスがある。回収もスムーズ。

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懸垂5回目
ロープを落とすと下の草むらに着いたのが分かる。T3までの懸垂。

 

東稜の同ルート下降は素直に真っすぐ下に降りていくのが正解。4ピッチで下降が可能だろう。