20220917ー19 伊藤新道

念願の伊藤新道へ。名著「黒部の山賊」を読んで以来、一度は行ってみたいルートでした。昨年同時期に2度計画するも天候に恵まれず中止。今回は台風の影響が懸念されましたが山行直前のヤマテンの情報等から山行可能と判断しました。水量が少ない時期でしたので核心部は「谷」ではなく「森」でした。


9/17(土)6:15七倉山荘からタクシー~6:30高瀬ダム~8:45湯俣山荘(休業中)~9:15水俣川に架かる橋の右岸(上記写真)

9:20湯俣川に入渓。奥に鷲羽岳。天候よくテンションが上がりました。

温泉地帯。奥の右岸で温泉に入っている方がいました。

噴湯丘。九段下の~♫

晴天下の徒渉。水量が少ないとはいえ慎重に。

9:58第一吊橋。衝立岩沿いの入り口。「伊藤新道復活プロジェクト」で架橋。8月に流されたものの9月に再架橋。行動力、凄いです。

ガンダム岩。セオリー通りガンダム岩の下を潜りました。水量が多いと厳しいのでザレ気味の左岸を巻く必要があります。

ガンダム岩の上流から。但し、どの辺がガンダムなのか…思案中です。

衝立岩を廻りこむラスト。徒渉して右岸へ。今回、唯一ロープを出しました。

上ノ廊下を彷彿とさせる景観

見えにくいですが左岸の河床から5m以上の場所にロープ。増水した場合のロープですが想像すると恐いです。

徒渉の連続。10~20㎝でも増水すると流心の流れが重いので徒渉は難しくなると思われます。

13:20第5吊橋跡。左岸から上がって掘立小屋跡の右に踏み跡があるはずでしたが見当たらず左に踏み跡のようなものがあったので行ってみましたが…

河床から30m辺りで濃いヤブにはまり沢に戻りました。

14:18沢に戻り、モミ沢出合いで幕営か、左岸の赤沢に入り伊藤新道を行くか迷いながら進みました。前方の3人パーティーは湯俣川沿いで幕営し、翌日湯俣川を下降するとのことでした。

14:52赤沢から伊藤新道に上がったところ。眼下に赤沢。赤沢出合いで伊藤新道に行くことを決断し文字通り赤い沢を50m程登ると左岸に「〇」。そこから10m程登ると右岸に「♂」。急斜面を上がると緑のホース。そこから登ると登山道っぽくなりました。

明確な登山道になりほっとしたところ。但し、ここからの300mアップが急登で2泊3日の荷が重く核心部になりました。ここに登山道をつけた先達者に感服します。

16:07展望台(2140m)。赤沢での水汲みを考慮し2150mから空身で赤沢に30m下降。赤沢の源頭は赤くなくほっとしました。疲労を考慮し尾根での幕営を決め2200mの平坦地で幕営。16:40に行動終了。ハヤシライスをいただき、19:00前に就寝。

9/18(日)3:00起床。森の中は微風、ツエルト内はドライでぐっすりと寝れました。明太パスタを頂き5:00出発。

右に朝日

第一庭園で休憩

次第に南に視界が広がりました。硫黄尾根、奥に北鎌尾根。この辺りが伊藤新道の白眉。

三俣蓮華岳を望みながらトラバース

後方から朝日が!

三俣蓮華岳と三俣山荘

6:53三俣山荘上部の主稜線に合流。伊藤新道を終えました。

ワリモ岳の先の稜線で雷鳥ファミリーに遭遇しほっこり

9:55水晶小屋。小屋の方が「明日は爆風」と。あらためて烏帽子小屋を諦め竹村新道を下りることにしました。こちらで購入した伊藤新道MAPによると第5吊橋跡からは左岸を少し歩いてから「トンビ岩」の左を行くのが正解のようです。

真砂岳の下をトラバースする竹村新道が見えます

ながかったです…

竹村新道を下る

眼下に湯俣川。沢音が近い。ながかった…

16:40湯俣川に下り、晴嵐荘に到着。砂浜っぽいテン場で乾杯しました。翌日9/19(月)は台風の到来が1日遅れたようで、のんびり起床し高瀬ダムまでのハイキングを楽しみました。なお、晴嵐荘の情報によると、湯俣川は硫黄沢出合から上流には岩魚がいる、晴嵐荘から下流の支流には岩魚がいて川九里沢では42㎝が最高とのことでした。念願の伊藤新道をほぼ完登でき、8月の魚野川に引き続き充実した登山になりました。