20181020丹沢山北東部バリエーション(魚止橋~原小屋沢~姫次~榛の木丸)

丹沢山北東部のバリエーションに、他会の友人3名、Y本さん、I塚で行ってきました。5~6回にも及ぶ渡渉、沢登り、トラバース、懸垂下降と、様々な要素が楽しめるルートでした。 (前半は沢登りの趣き) このルートを紹介してくれたのは、丹沢のバリエーションに超詳しいK島さん。 破線ですらないルート(となるとけもの道?)においても的確に方向を見出すことができる、高い地図読み能力をお持ちなのです。 元々の予定は魚止橋から雷平、又兵衛沢を経由して蛭ヶ岳へ、そこから白馬新道の派生路を通り、早戸大滝の近くにある通称「魔法のロープ」を探すというもの。 「魔法のロープ」とは、急斜面に貼られた長いトラロープだそう。 今回時間切れで「魔法のロープ」まで行きつけなかったのですが、行動時間は11時間を超えて充実したバリエーション山行となりました。 (今にも壊れそう・・・危うい木橋) 出発地点は、早戸川林道の奥にある、魚止橋を渡った先から。 ここからしばらく早戸川沿いの道を進みますが、途中体重をかけるのがためらわれるような危うい木橋がいくつもあり、冷や汗をかかせてくれます。 雷平の手前で最初の渡渉ポイントがあり、ここで沢靴に履き替えました。 しばらく渡渉が続くと聞いて、それからは沢靴を履きっぱなし。 でも水を浴びるには寒すぎるので、滝が出てくると高巻きし、渡渉を繰り返します。 (渡渉につぐ渡渉) カヤノ沢出合を経て原小屋沢へ入り、ちょっと予定していたルートをすべて巡るのは無理と判断を下し、エスケープルートとして設定しておいた姫次へ向かうことに。 北西に1380mのピークがあるので、そこへ向かうため又兵衛沢出合を過ぎたあたりから尾根に上がりました。 尾根までは沢登りのツメ同様、沢から急斜面を登ります。 そこから先は姫次まで道なき道でしたが藪ではないので、灌木を避けながら割と快適に歩けました。 とはいえ熊のふんや足跡を見かけ、緊張が走りましたが・・・ 1380mピークから更に尾根沿いに北西へ向かい、蛭ヶ岳への分岐点である姫次に到着。 ここから破線をたどって榛の木丸へ、分岐を北東へ向かうと魚止橋近くのヘアピンカーブに下れ、林道に戻ることができます。 「魔法のロープ」を探す旅、ぜひ再チャレンジしたいと思います。 ... 続きを読む

20181008妙義 筆頭岩

Y本さん、U島さん、I塚で、妙義の筆頭岩(ローソク岩)へ行ってきました。 筆頭岩に行くアプローチは、妙義神社と中之嶽神社をつなぐ196号線の車道からいきなり始まります。 車は「さくらの里」という施設に置けるとアプローチに近いのですが、出発時にはまだ開園していなかったので、中ノ嶽神社近くの市営駐車場に置きました。 そこから20分ほど妙義神社方向へ戻り、「さくらの里」入口近くの大きな金属のゲートへ。 ゲートのすぐ近くに崩れたコンクリートの階段があるのですが、そこがアプローチの始まりで、5mも登れば尾根に出ます。 尾根を10分位進むと岩の基部に突き当たり、岩を左に見ながら回り込んでいくと、10~15分で取りつきに到着。 (取りつきは四角いステップが積み重なったような、特徴的な岩が目印です) 1P目はⅡ級もない感じなのでロープなしで登り、2P目もⅢ級-程度。 3P目もⅢ級位かと思いますが、登り終わって振り返ってみると、幅2mもないような薄い岩の形にびっくり。 両側がすぱーっと切れ落ちているので高度感を強く感じ、高所慣れしていない人は怖いかもしれません。 (幅が狭くて両側が切れ落ちた3P目) 4P目はⅢ+~Ⅳ級位のやや立った岩で、これがローソクの名前のゆえんかも。 鎖がかかっていましたが古そうだし、ロープなしで登ると鎖で同ルート下降することになるので、けっこう危ないのではないかと思います。 (鎖がかかっていた4P目) 終了点から2mも上がると筆頭岩の頂上で、そこから懸垂下降すれば、取りつきから5mほど右へ巻いたところに下りることができます。 この場所には錆びたリングボルトが打たれていて、昔は誰かがゲレンデとして利用していたのでは。 下降は10m位で一度切り、そこからは空懸気味に40m位一気に下降。 途中小さなテラスがあるのですが、足が触れると細かい落石を起こすので気をつけましょう。 筆頭岩自身、車道からすぐの位置にあり、登攀中に落石を起こすと車道まで落ちかねないので、これも気をつけたいものです。 (第四石門にクライマー発見~) 筆頭岩はアプローチを含めても3時間足らずで終わってしまったので、残った時間で石門巡りをしてみました。 妙義名物の奇岩群を、時おり鎖も使って40分程度のハイキングコースで見て回れます。 当会のクライマー達は登山道を無視して、岩を縦横無尽に登っていましたが・・・ ... 続きを読む

20180909竜喰谷

7月に企画し天候不良で延期していた竜喰谷に、Y本さん、K緑さん、I塚で行ってきました。 水量が多くて巻き気味でしたが、普段はほとんどの滝が直登できるとのこと。 ナメもふんだんにあり、なかなか楽しい沢でした。 (癒しのナメ歩き) 今回は前泊したところ、夜半から断続的に雨が振り出してきましたが、大雨ではないので現地の様子を見ながら決行することに。 翌朝石楠花橋近くの駐車スペースへ車を停めると、その前を流れる一之瀬川はやはり増水しています。 下りてみるとかなり流れが速かったのですが、渡れないほどでもない様子。 そこでK緑さんにレクチャーしてもらい、3人で輪になりスクラム渡渉しました。 スクラムは円陣を組むと安定し、誰か一人がこけても他の人が支えやすいので安定感があります。 これによりそろそろと一之瀬川を渡りきり、竜喰谷に入渓すると流れは穏やかになりましたが、やはりいつもより水量が多いそう。 水量のせいで滝登りがちょっと厳しく、あと朝から曇っていてあまり気温が上がらないこともあり(前夜の気温は21℃)、シャワークライムは敬遠モード。 変化に富んだたくさんの滝が次から次へと現れましたが、ロープを出さなかったせいか、コースタイムより早めに遡行終了することができました。 (今日は水量が多い!) この沢は厳しいツメがなく、竜喰谷に流れ込む井戸沢へと登ると、5分もしないうちに大常木林道が横切っている部分へ到着できます。 そこからはなだらかな林道をたらたらと下りていくだけの、かなり歩きやすい下山路です。 下山した二ノ瀬は入渓点よりやや上流の位置になり、駐車スペースに戻るまで20分位かかり、これがけっこう長く感じるのが難点かも? 気温が下がり出し、そろそろ沢の最盛期も終わりかもしれませんが、今期行かれなかった沢も多くて、未練が残る今日この頃です。 ... 続きを読む

20180811ボウズクリの沢

涼を求めて沢に行きたいけれど、台風の後ゆえ水量が多いと危ないかもということで、水量の影響を受けなさそうな西丹沢のボウズクリの沢に、Y本さんとI塚で行ってきました。 (ボウズクリの滝下部は左岸から登れます) ボウズクリとは「坊主作り」の意味だそうで、F1であるボウズクリの滝に打たれてお坊さんが修行したということが由来らしいです。 この沢は直登が多くないとは解っていましたが、ほとんどの滝を高巻くために、あまり沢登りらしくないのが特徴です。 高巻きは早速F1から始まり、下部5mは左岸を登れて沢らしく水しぶきを浴びることができるのですが、上部の20~30mある滝は直登できず巻くことに。 この高巻きが悪く、土と岩屑と木の枝がミックスしていて斜度もあり、足を置いてもずるずると崩れてしまいます。 安定しないのでのっけからロープを出したのですが、何をやっても落石を起こしてしまうようなところで、沢らしい爽快感が感じられないまま巻き続けることに・・・ (とにかく悪い高巻き) あまりに状態が悪いのでルート取りを間違えた?と悩みましたが、懸垂下降する際往路とほとんど同じルートを下りてきたので、たぶんそんなに間違えてはいないのではと思うのですが。 なんだか出だしからツメのようで、沢登りというよりもバリエーション山行のような沢でした。 ... 続きを読む

20180730剱岳チンネ左稜線

剱岳のチンネ左稜線に、Y本さんとI塚で出かけてきました。 I塚はここ数年、お盆休み頃八ツ峰方面に入ろうとしていたのですが、雨が降ったり長次郎谷出合が崩壊したりと、何かしらの理由で中止に。 そこで今年は7月末という早い時期に入ってみたのは良いけれど、連日の猛暑には雪渓も勝てなかったようで、長次郎谷左俣の上部には既に大きなクラックが数本発生。 クラックは長次郎谷の端から端まで走り、幅も深さも数メートルあるため、熊の岩からチンネ方面へ登るのは相当難しい状況です。 八ツ峰も、Cフェース取りつきの雪渓が崩壊していました。 長次郎谷経由ではなく本峰経由でチンネに入れないかと考え資料を見ると、頂上から池ノ谷乗越まで1時間半程度と書いてありました。 しかし実際はこんなに短時間では行かれず、後日色々な記録を見たところ、数時間かかっている人も多いようです。 とにかく本峰だけでも行ってみようと別山尾根経由で登ったのですが、ロープとギアなどを背負ってのカニのタテバイ通過がツラい! スピードは上がらないし、荷物が重いので体が振られるしで、かなり消耗しました。 そして頂上から北方稜線へと向かいましたが、長次郎のコルまで来るのに想像よりも時間がかかり、この調子で行くと時間切れになると判断。 チンネに行くのはギブアップし、結果としては本峰への歩荷トレとなってしまいました・・・ 八ツ峰まではさておき、なかなかチンネは遠いですね。 それにしても今後ますます地球温暖化が進んだら、長次郎谷を安全に通過するためには、7月初旬には出かける必要が出てくるかもしれません。 ... 続きを読む